あっさり爽やか: /5
切ない恋愛: /5
山崎ナオコーラさんの「人のセックスを笑うな」を
読みました。
絵の専門学校で学ぶオレは講師のユリちゃんに
出会った。
頼まれるままに絵のモデルをするオレは
いつしか20歳も年上のユリちゃんと恋愛関係に
なってしまった。
不倫のお話でした。
でも官能小説ではありません。
そしてドロドロもしていません。
19歳の青年の視点でかなり年上の女性との
恋愛が綴られているのですが、
その女性ユリちゃんが子どもっぽい性格で
さほど「大人の女」という印象を抱きませんでした。
精神年齢が同じだから恋愛に
なったんじゃないかしら……なんて思ったり。
オレとユリちゃんが始終ベタベタなカップルという
感じではなくちゃんと「どうでもいい」と感じる時期、
「一緒にいたい」という時期があったりして、
妙なリアリティを感じます。
長期の不倫で気が抜けてダンナに
バレちゃったりする辺りもそれっぽい。
ただドロドロした粘着質な雰囲気を微塵も感じさせず
それを描くのだからお見事と言わざるを得ませんね。
最後はとても切ない気分にさせられますが、
読後感は悪くありません。
ただとても短いお話です。
中編、いや短編でも通用しそうなんですが、
1冊の本になってます。行間スカスカです……
そしてなぜだろう……。
年上女性がかわいい少年を捕まえて
恋愛関係になると、思わず「チッ」と思ってしまう。