かわいい: /5
スイーツ: /5
日常の謎+α: /5
米澤穂信さんの「夏季限定トロピカルパフェ事件」を
読みました。
1作目が見当たらなかったので2作目です。
小鳩常悟朗は散歩がてら夜祭に来ていた。
テスト期間中にもかかわらず、そこにいるのは、
それが真に”小市民”的であると判断したのだ。
根っから探偵気質を隠し、目立たず、
”小市民”としての道を追求する常悟朗には
目的を同じくし、互恵関係を結んでいる仲間がいた。
童顔で小柄な小山内ゆき。
彼女も”復讐”を愛してしまう本性を
隠している。
夏休みの初日に常悟朗の家までやってきた
小山内は「<小山内スイーツセレクション・夏>」
と書かれた地図を差し出す。
その日から常悟朗は小山内のスイーツ巡りに
付き合うハメになってしまった。
日常の謎がメインの本格っぽい作品でした。
2作目なので、彼らが”小市民”を目指すきっかけと
なったトラウマなど、よくわからないこともありましたが、
充分楽しめました。
探偵役の常悟朗が日常の謎を追いつつ
”日常”とはいいがたいちょっと大きな事件の
伏線を作っていっています。
連作短編と長編の合いの子みたいな感じですね。
”小市民”になりたいって言ってる時点で
自分は凡人ではないって思ってるのか
と、途中でちょっといじわるな感想ももったのですが、
ラストでそのあたりも掘り下げられていたので
その感想は却下になりました。
常悟朗と小山内さんのコンビがとてもかわいいです。
そんなに親しくはないと常悟朗が主張している
堂島健吾のキャラクターもなかなか笑えます。
そして小山内さんのスイーツ好きには
共感をおぼえますね。
さすがに地図までは作りませんが……
ちょっとさみしいでラストだったので、
速く続きが読みたいです。