「儚い羊たちの祝宴」もったいない感じ | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

儚い羊たちの祝宴/米澤 穂信

ホラー:ホラーホラーホラー /5

帯があおりすぎ:☆☆☆ /5

でもおもしろい:GOODGOODGOODGOOD /5



米澤穂信さんの「儚い羊たちの祝宴」を

読みました。



『身内に不幸がありまして』

 村里夕日は子どもの時分より丹山家のお嬢様の

 お世話をしていた。勘当された兄に代わりお嬢様が

 丹山家の跡取りとして美しく成長された。

 

『北の館の罪人』

 妾腹の子だが六綱の家の離れにおいてもらうことに

 なったあまり。そこでの仕事は何故か幽閉されている

 長男・宗太郎の世話だった。


『山荘秘聞』

 辰野の別荘・飛鶏館の管理を任された屋島守子。

 客を迎えるために常に完璧に手入れされた館には

 三年あまり誰もやってこなかった。


『玉野五十鈴の誉れ』

 小栗家のただ一人の子・純香の15才の誕生日に

 祖母からの贈り物は同い年の使用人・玉野五十鈴

 であった。

 

『儚い羊たちの晩餐』

 大寺鞠絵の”パパ”は見栄を張るためには湯水の

 ように金を使った。すばらしい料理の腕を持つという

 厨娘の夏を雇い入れたもののそれにかかる金は莫大だった。

 


おもしろかったです。


全部が良家のお嬢様が出てきて、

”バベルの会”という謎の読書倶楽部が出てくる、

という共通点を持った短編です。


それぞれに繋がりもあるので連作短編、

でしょうか。


良家のお家のちょっと不気味で

いわくありげな雰囲気もいいし、

怖いことが起こりそうな期待感が

高まる文章もよかった。

最後までおもしろく読めた短編でした。


でも他のブロガーさんもおっしゃっている通り、

帯のあおり方はちょっとやりすぎだと

思いました。


期待値がそこまで高まると

この作品の面白さがかすみそうですね。


最後の一行がすごいと思いながら読むと

ちょっとがっかりするかも……


何だか帯のせいでもったいない感じの

良作でした。