「柚木野山荘の惨劇」とっとこ正太郎 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

柚木野山荘の惨劇 (カドカワ・エンタテインメント)/柴田 よしき

スゴい猫が主役:ねこねこねこねこねこ /5

同居人への愛:あったか気分あったか気分あったか気分 /5

ミステリ:GOODGOODGOODGOOD /5



柴田よしきさんの猫探偵のシリーズ

たぶん一作目?「柚木野山荘の惨劇」を読みました。



同居人にどうやら一服盛られて箱に閉じ込められた俺。

気付くと山荘へむかうタクシーの中だった。


同居人の桜川ひとみと作家である彼女の担当者糸山大吾は

友人・鳥越裕奈の結婚式が行われる山荘へ招かれるが、

そこで待っていたのは裕奈のとある計画だった。


「どうしても」と呼び出され、きな臭さを感じつつやって来た浅間寺、

招待された数名の出版関係者、突然起こった土砂崩れ……

そして閉じ込められた山荘でとうとう事件が起こった。


チャウチャウ犬のサスケ、美しいシャム猫のトーマ、

そして俺、正太郎が事件の謎を解くため駆け回る。



動物の擬人化ものって読む前にちょっと身構えてしまいます。

その世界に入っていけるかしら、とちょっと心配。

だいたいが杞憂なんですけど、今回も杞憂でした。


サスケやトーマ、正太郎の動物陣が非常に人間くさくて

突っ込みどころも多いのですが、純粋にミステリとして

楽しめました。


のっけから正太郎、パソコンを起動させます。

ちょいちょいっと邪魔なウィンドウを片付けて、

壁紙になっている美女……いや、美猫を堪能。


そんな動物たちの動きにツッコミ入れながらも

ヤミツキになりそう。想像するとかわいくて。


ミステリとして真相はそんなに驚く程のことでは

なかったですが、まあ納得のラストでした。

それよりも過程が「ザ・ミステリ」という雰囲気で

楽しいです。


閉じ込められた山荘、次々に死者、

招待客たちの知られざる過去……

この「いかにも」さがワクワクしませんか。


そして正太郎が普段は猫っぽくクールな態度なのに

同居人(正太郎は飼い主のことをそう呼んでいます)

を大事に思っているのがわかるシーンはなんだか

きゅんときます。


正太郎の目線で物語を追うので

あのアニメを思い出しました。

目の大きいハムスターがドタバタするやつですよ。