「見知らぬ町」お手軽に楽しめる不思議 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

見知らぬ町 (Coffee Books)/坂東 眞砂子

不思議:いるよいるよいるよいるよ /5

お手軽度:GOODGOODGOODGOOD /5



坂東眞砂子さんの「見知らぬ町」を読みました。


『天地創造』

 神様が最初に創ったのはたくさんの虫だった、

 そして…… 


『足跡、買います。』

 駅の掲示板に書いてあった「足跡、買います。」

 という電話番号に電話すると


『幸せな日々』

 仕事へむかう夫を見送った後いつもの私の

 一日が始まる。


『旅人たち』

 新幹線の車内で隣に座っていた女性の白い

 襟足がさっとひらき、口のように動き出した。


『銀世界へ』

 危機的に地球は暑くなった。死者も多数出す中で

 わたしは肩に雪がかるく積もった男とすれ違った。


『煩せえ』

 ブゥゥンという小さな音に常に悩まされているおれ。

 どこから聞こえてくるのかわからない。


『転生』

 玄関のチャイムがなって佳枝ちゃんがやってきた。

 祖母が水菓子を出そうとして台所に消えた。


『日没』

 社長業につき希美子という安らぎを与えてくれる女性もいる

 わたし。あるとき妻から突然会社へ電話がかかってきた。


『ジャングル・ホーム』

 ぼくが目覚めると部屋は全体的に薄明るかった。

 掛け布団をめくってみたら、ワニがいた。



不思議なお話9編の短編集でした。

ショートショート集、といった方が近いかもしれません。


夢の中のように無秩序なものあり、

童話的な雰囲気もあり、ちょっとホラーっぽいシーン

あり……

と、いろいろなお話をお手軽に楽しめます。


とても薄い本なんです。

休日のティータイムで読みきれるくらいですね。

磯良一氏のイラストも不思議な世界を繰り広げています。


はじめの『天地創造』というお話がお気に入りです。

オチも少し意外でした。