「天使のナイフ」なんともやるせない | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

天使のナイフ/薬丸 岳

一気読み:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5

重いテーマ:☆☆ /5

考えさせられる:GOODGOODGOODGOODGOOD /5




薬丸岳さんの「天使のナイフ」を読みました。
多くの方のブログでご紹介されていましたが

最近ナンさんのブログで拝見し、

やはり読んでみようと、思った次第です。



桧山貴志は4歳になる娘の愛実との日々を

幸せに感じ過ごしていた。

4年前の惨劇から確実に立ち直りつつあったのだ。



そんなある日、自ら経営しているカフェの付近の

公園で4年前の事件の加害者である

青年が殺されてしまった。



4年前、被害者であった桧山は警察から

そのときのアリバイを確認される。

タイミングよくその事件は

桧山のアリバイがない時間帯に起きていたのだ。



この手のテーマの作品を軽々しく

そういっていいのかな、と思わないでもないですが、

「おもしろかった」です。


少年犯罪、少年を守る姿勢をとる法律、被害者の心情などを

とても細かく調べられていて考えさせられる作品です。

しかしそういった重いテーマを含みつつも

読み止らない、真相を早く知りたいという「ミステリ」っぽい

好奇心を駆り立てられました。


最初の方よりもやはり後半の真実が次々に

明かされるあたりが特によかった。


そして登場人物の役割に無駄がない。

無駄がなさ過ぎて「その人まで関係者か」と一人で

ツッコミを入れてみた。


最後の書評も何となく目を通してみたら、

こんなにちゃんとした作品にも結構厳しい意見が

ちらほら。

文章の世界は奥が深いのですね。


昔、とある場所で書評をもらったとき私は

初歩的なことしか言われませんでした。


・推敲をしなさい。

・誤字が多い。


小学生の作文クラス……。