中島さんはいつだったかアンソロジーものでお見かけした
作家さんでどんな話を書くのかしらと思い、
「桐畑家の縁談」を読んでみました。
共感: /5
子どもの頃から不器用で「変わった子」だった妹の
佳子が結婚することになった。
相手は台湾人で定職のない青年で桐畑夫妻は
あまりいい顔をしない。
姉である露子は妹に先に嫁に行かれ、
「行き遅れ」のように言われるのが落ち着かない。
だからといって恋人である研修医・渡辺邦夫との
結婚は渋りっぱなしだ。
そんな桐畑家の結婚を巡る物語。
ん、なるほど。
露子さんの複雑な心境もよく分かるし、
妹やその婚約者もなかなか魅力的な人物です。
でも何だかあまりガツンとこない。
平和なお話でした。
すみません、正直に言うとちょっと眠い話でした。
でも露子さんの失恋の痛手、恋人がいながら結婚したくない、
って気持ちは同年代だからでしょうか、
共感できるものがあります。
桐畑家もごくごく一般的な家庭でただ妹の
婚約者が台湾人。
その事実を受け入れにくい両親の様子が
ちょっぴりコミカルに描かれていてそこは面白かったです。
あくまで桐畑家というところに主点が置かれているらしく、
両親は「桐畑氏」と「桐畑夫人」と記載されています。
そんな客観視したような表現も彼らの
娘の結婚への「反抗」ぶりを面白くするのに
一役かっているような気がします。