「精神のけもの道」ついおかしなことをやっちゃいますね | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話/春日 武彦

納得:納得納得納得納得 /5

エピソードが面白い:好好好 /5

けもの道はよく通るよ いるよいるよいるよいるよいるよ /5




「精神のけもの道」を読みました。


今日はかかとの角質を取るのに一生懸命で

スッカリ遅くなってしまいました。

角質をすべて除去しなければ風呂から出るわけにはいかない、

という強迫観念に脅かされる。

ふと気がついてみるとそこまでしなくてもよかったんじゃ、

と思います。


こんな状態を精神科医を経て現在大学教授の

春日武彦先生は「精神のけもの道」と称しておられます。


「精神のけもの道」は日常的なものの考えかたから

逸脱しちゃった精神の状態のことだそうな。


ついつい角質に拘ってみたり、

新作のお菓子があるんじゃないかと頻繁にコンビニ行ったり、

元・恋人のゴミ袋を点検、生活できないら刑務所に入ろうとして殺人、

宇宙からの電波を受信……等々


「病気」まではいきませんが、何かしらの出来事やショック

なんかによって「けもの道」に踏み込んでしますわけですね。


自身の精神科医としてのエピソードや日頃考えていることなどを

吉野朔実さんのマンガを交えてかるーい調子で

書かれています。


読んだ本についても専門家ならではの解釈に基づいて

感想を書かれていますし、何よりも精神科の患者さんの

エピソードは興味深かったです。


お医者さんでもあんまりにもヒドイ患者さんには

憂鬱になるんだな、というのが新鮮でした(笑)


そういえば会社で「けもの道」を猛進しているような人

から電話を受けることがあります。


この間は求人に応募するという方から電話があって、

いざ面接日を決めようとすると

「自分は会長だから忙しい」と。

会長って何?町内会長??


それなら仕方ない、と電話を切ろうとすると

また求人についてアレコレ質問してくるのです。

あげく聞いてもいないのに自身の過去について

語り出す始末。

さみしいのかしら……


しかし人のことを言える立場ではなく、

私もよく「けもの道」歩いている気がします。


最近は定期をなくしてパニックになり

宇宙に想いを馳せていましたし、毎週バーゲンの残り物点検

をするというパラノイヤ的行動も……


どんな人でも「けもの道」に踏み込んでしまうことはよくあること

なんですよね、きっと。