社員の特許訴訟が増えた時期がありました。
その時、某電機会社の元取締役に質問されました。
「あなたの会社も特許の権利を主張して会社を訴えた人いる?」
「はい」
「会社で上司の誰かと喧嘩したり恨んでいた?」
「えー、そうです。なんでわかるのですか」
「どうもどこの会社も同じなのだよ。日本の場合、上司に怒りをもつと訴えるようだ。つまり自分の成果が認められず、その後不当に扱われていると思うと訴えるようなんだ」
アメリカは訴訟社会ですので、権利を主張するために簡単に訴訟を行います。ベンチャー企業を解散する時に、退職時にもらえる給料を最大に引き出す為に、上司を訴える。親が癌で入院を拒否したら、子供たちが親を入院させる為に親を訴えるという例まであるようです。
一方、日本では、よほど感情的にもつれない限り訴訟にならないというのです。職場での良好な人間関係を大切にする日本人にとって、回りから行った業務の成果を認められていないという事は、給料が低い事以上に個人の尊厳を傷つけられ、耐えられないことなのではないでしょうか。昇進によるタイトルが付与されなかったことも原因でしょう。
昔、上司から「君が欲しいのは、名誉か、地位か」と聞かれたことがあります。おそらく高度成長期は、属する組織の中での役割が非常にこの2つに集約され動機づけの要因になっていたと考えられます。
組織の中で自分が想定する役割が異なった時、感情の爆発がビジネスの中でも起きます。訴訟社会でない日本人が訴えるのは、かなりの怒りが溜まった時です。感情が根底にあるという事を肝に銘じて、行動したいものです。(日日草)