昨年、スペインで運転手が猛スピードで列車を走らせ
大事故が起きました。電車の事故の話を聞くと福知山線
の脱線事故を思い出します。
福知山線の脱線事故が起きた時、会社で二人の管理職
の方が議論をしておられました。
「運転手の勤務態度に問題がある。つまり仕事に対する
姿勢が悪いので遅れを取り戻すためにスピードを出しすぎ
るのだ。勤務態度も良くなかったというではないか」と主張
する人と「スピードを出さざるを得ないダイヤと勤務管理体
制やルールにある。」と主張する人がいたのです。つまり
問題を、個人にあるとするか、組織にあるとするかという
2つの視点に分かれていたのです。
個人の態度に問題があると主張した管理職は、常に部下
の気持を考え、やる気を起こすために働きかけをしていた
元技術者でした。同業他社の管理職からも慕われていまし
た。もう一人の管理職は、理想のシステム図を壁に掲げて、
常に理想に近づく為に、今の技術的に何をなすべきか熱く
語る管理職でした。
あなたならばこの事故を「個人の問題と考えますか?組織
の問題と考えますか?」
おそらく、カウンセラーならば、運転手という個人にアプローチ
し、「人の命を預かる職業として働く姿勢をどう変えていくか」
にフォーカスすることになるでしょう。
企業のトップならば、上司や組織の問題をまず点検し二度と
事故を起こさないために、早速運用体制の改善に着手する
でしょう。
この視点の違いは、脱線事故のみならず、日常の行動に
大きな違いをもたらします。皆さんが、職場や家庭の問題に
ぶつかったらどういう視点でまず最初に取り組むでしょうか。
子供が言うことを聞かなかったら、まず子供の気持ちを汲み
取ろうとする母親もいるでしょうし、じゃあ皆で話し合って我が
家のルールを変えてみようというお父さんもいるでしょう。
答えは一つではありません。個人の視点と集団の仕組み
の視点、2つの視点を持てると解決方法が広がるのでは
ないでしょうか。 (日日草)