【今週のワンポイント-15】こちらも足元固めを… | 人生竪堀

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TEAMナワバリングの不活発日誌

 またしてもグサッとくるロスに、ショックを受けた人も多いと思う。話はここから一気に佳境へと進むが、その前に、われわれも少々足元固めを…。

 というのも、今回のように、御家人たちが全員集合してしまうと、もともと鎌倉時代に詳しくない人は、「誰が誰やら」になってしまうと思うからだ。かといって、全員の名前をいっぺんに覚えるのは、大変。ただ、主な役者さんの顔は覚えられるだろうから、あ、体育会ノリのヒゲの人ね ⇒ 和田義盛、みたいな感じでイメージできていれば、少しずつ覚えていけると思う。

 さて、今回描かれた御家人たちのクーデター計画は、三谷さんの創作である。上総介広常の粛清は事実だが、それがなぜ行われたのか、当時の鎌倉で何が起きていたのか、具体的な事実は不明なのである。ただ、間違いなくいえるのは、もともと御家人たちは一枚岩ではない、ということ。人や家によって、さまざまな思惑や、立場の違いがあるからだ。

 小さな所領しか持っていない者もあれば、大きな所領を持っている者もある。積極的に新しい世の中を創ろうと盛り上がっている者もあれば、成りゆきで頼朝軍に加わった者もいる。石橋山で死線をくぐったり肉親を失った者と、後から勝ち馬に乗った者では、考え方が違って当然だ。

 世代の違いも、無視できない。北条時政や三浦義澄、土肥実平、千葉常胤、比企能員はオジサン世代というか、鎌倉第1世代。これに対して、義時や三浦義村、和田義盛、畠山重忠あたりは、次世代エースというか第2世代。当然、立場や考え方も違う。実は、この世代の問題を、頭の隅にちょっと入れておくと、この先のドラマの展開がグッと面白くなるのだ。

 皆さんは、覚えているだろうか。ドラマの第1回で、北条屋敷にかくまった頼朝をどうするか、義時・義村・義盛・重忠の4人が、納屋のような所で相談していたのを。こういうシーンを最初に持ってくるあたりが、三谷脚本のうまいところ。次世代エースである義時・義村・義盛・重忠の4人の関係は、この先のある時期から、とても重要になってくるからだ。

 

[おまけの豆知識] 梶原景時の行動を怪しんだ広常が、「しばらく馬屋でおとなしくしててもらおう」と言ってたでしょ。この時代、捕まえた罪人や不審者は、馬屋に監禁するのが習わしだったのだ。問題を起こした家人なんかも、ペナルティとして馬屋行き。そうそう、伊東祐親・祐清親子も、馬屋に監禁されていたでしょ。

 

(西股総生)

 

《ワンポイントイラスト》

 

 

鎌倉殿の第1世代と第2世代を整理しよう! 第2世代は「見た目」も重視!

 

(みかめゆきよみ)