【ほぼ週間西股ニュース】5月28日号 | 人生竪堀

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TEAMナワバリングの不活発日誌



◎まずは北条早雲から…(その1)

 ここ数年、ともすれば閉鎖的な研究の場から抜け出して、一般の城好き・戦国史好きの皆さんと交流する機会をできるだけ持つようにしている。TEAMナワバリングだって、そうしてできたものだ。
 そこで気付いたのは、北条ファンって実はけっこう多いんじゃないか? ってこと。首都圏在住の城好き・戦国史好きの皆さんと話をしていると、かなりの確率で北条ファンに出会う。上杉ファンだけど北条五代にも興味があります、みたいな人もいる。考えてみれば、関東地方に住む人にとって北条氏は「郷土の武将」だし、関東地方はもともと人口が多い。だとしたら、北条ファンが多くても当たり前だ。
 けれども、盛り上がり方においては織田信長や真田信繁はもちろん、伊達政宗や石田三成に遥かに及ばない。仙石秀久や立花宗茂あたりの方が盛り上がってそうな気もするし、陪臣風情の直江兼続や島左近にも負けそうだ。

 ではなぜ、北条ファンって目立たないんだろう。僕なりに考えてみて、みんなで盛り上がれるネタが少ないからでは? と思う。そもそも、北条五代を主人公にした著名な歴史小説がほとんどない。最近になって、伊東潤氏がようやく少し書いてくれたくらい。大河ドラマでは、信長・秀吉・家康の「三英傑」やその関係者(山内一豊・黒田官兵衛など)が主人公になるのが普通だから、北条家はどうしたってヤラレ役になる。
 だからきっと、関東地方を中心に多数棲息しているはずの北条ファンは、白亜紀の哺乳類みたいに、息をひそめて、奥ゆかしく黒田基樹氏の著書など読んでいるにちがいない。けれども、学問の世界では、北条氏はもっとも史料が豊富で、研究が進んでいる大名なのに。黒田氏に限らず、研究書だってたくさん出ている。それなのに、北条家の戦国大名としての実力が理解されず、いつもヤラレ役に甘んじているのは、残念だ(次週へつづく)。

☆ちょっとお知らせ☆

 少し前の話になって恐縮ですが、西股は4月に富山へ縄張り図を描きに行って来たんですね。
 その時の様子を、夕里さんがブログ「夕里の日韓お城ツアーズ」に順次アップしています。ナワバリングのブログ「人生竪堀」からリンクはってありますので、興味のある方は覗いてみて下さいね。

西股総生

★NEW!!
クラブツーリズム主催のナワバリスト西股によるお城講座
・7月9日(土)西股総生トークイベント
《第1部》「戦国軍事考証から見る城と合戦
14時~15時/新宿アイランドウィング /1000円
コース番号【C2021-923】
《第2部》「対談形式 戦国軍事考証VS歴女
15時30分~17時/新宿アイランドウィング /500円
コース番号【C2022-906】

★NEW!!
小田原で西股先生がゲストのトークイベントがあります!!
お酒を飲みつつ北条爆トーク&日中は小田原城のウラサンポ予定。
(20時からは例の本放送をみんなで観ちゃお☆)
そして、ナワバリングの新作として北条グッズ販売が!!
6月26日(日)14時~ ※イベントは三部構成です。
『本当は惜しかった小田原の役~遅いぞ、政宗殿!~』
↓イベント詳細とお申し込みはコチラ
http://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01j3c7y6md9v.html

▼西股先生新刊情報
復元イラストで見る「東国の城」の進化と歴史
河出書房新社から4月中旬発売予定!
B5判オールカラー、予価2,000円。

▼TEAMナワバリング書籍情報
図解 戦国の城がいちばんよくわかる本』大好評発売中!
198ページ 本体価格:1,400円+税