こんばんは、例年の夏に比べお腹まわりのシェイプが遅れて焦っている櫻井です
昨日日本トレーニング指導者協会の総会・研修会に行ってきました
その中で行われた講演の一つに「遺伝的背景を考慮したコンディショニング」というものがありました
講師は家光素行氏(立命館大学スポーツ健康科学部 准教授)
親から子に受け継がれる「遺伝」は、顔や身長だけでなく筋肉の質や運動能力も含まれるそうです
最大酸素摂取量(全身持久力の指標)は約20~60%が、筋力は約20~70%が遺伝要因によって決まるそうです(残りはトレーニング・食事などの「環境要因」)
遺伝子多型にはパワー系スポーツに向くRR型、持久系スポーツに向くXX型があり・・・
現実にエリート短距離走者にはRR型が多く、マラソン選手にはXX型が多いそうです
エリートになるためには自分の遺伝子タイプに合った競技を選ぶ必要がある、ということでしょうか
そしてXX型は速筋線維が遅筋化しやすく、酸化系酵素活性が増大するそうです
同じ筋トレをしてもすぐに筋肉が付きやすい人はRR型、なかなか付きにくい人はXX型、と言えるかもしれません
そして低酸素トレーニング(高地トレーニング)の効果が少ない遺伝子タイプもあるそうです
そういう選手に対しては、無理にリスクを冒して高地トレーニングをする必要性が少ない、とも言えます
家光氏は「遺伝タイプを考えて効率のいい練習や指導をしましょう」と提案されていらっしゃいました
例えばXX型の人がパワーと持久力の両方が求められる競技を行う場合・・・
・弱点を強化しトータルの体力をアップさせるには筋トレやパワートレーニングを多く行う
・長所をさらに生かして徹底的にスタミナ勝ちするには持久力トレーニングを多く行う
といった戦略が考えられます
遺伝子多型は血液・唾液から抽出されるDNAを元にして解析できるため、遺伝子タイプを考慮した個別のトレーニングプログラムが作成される日もそう遠くないでしょう
スポーツと遺伝子に関しては「遺伝子ドーピング」という新たな問題も浮上しています、これについては次回に触れたいと思います