1月も3日をすぎた頃、東京の長男夫婦に春の七草を送ろうと、天気の良い時間を見
計らって教室の周りを探し始めた。まず今までの経験から近辺と水田跡地を探すと、、
すぐ「はこべ」が見つかった。 はこべはどこにでもあるので、美味しそうなところを丁寧に
根までつけて採った。そしてその場所でジッと目を凝らすと「ごぎょう(ははこぐさ)」が
見つかる。お馴染みの「せり」、いつもの場所は足場が悪くて行けず、沼に流れる水路で
小さめのロゼット葉になっているのを泥の中から掘り出した。その時素手で作業したので
泥だらけ。手は小さな流れの水で洗った。
次は公園に行けば簡単に見つかるだろうと探し回ったが、全くダメ。少々意気消沈して
家に戻る。そしてもしかしたら、庭にあるかも?とていねいに一回りしてみると、あった!
「ほとけの座」が褐色になって地面にへばりついていた。こうして、一時間かかってせり、
ごぎょう、はこべら、 ほとけの座の4種類をゲット。
あと残すは なずな すずな(かぶ) すずしろ(大根)の3種。すずなは、八百屋さん。
すずしろは、ご近所から頂く。次の日なずな探しに範囲を広げ、景色の良い高台に行く。
すると予想が的中。去年のぺんぺん草までつけてロゼット葉で群生していた。そこで柔
らかくうまそうな株を2株、はさみで切った。や っ た !これで7種類ゲット。ホッとする。
今年は2日間もかかった7草集めだった。
1月7日の朝に 七草粥をつくるので 東京には、さっそく宅急便を手配。
春の七草は、「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
これぞ七草」という歌に由来する、と言われている。どうしてこの七種なんだろう?と
思ってしまう。確かに短歌としてのリズムはいい。周知のとおり、せり すずな すずしろ
は、野菜。一方なずなは通称ぺんぺん草と呼ばれ、私たちが子どもの頃 小さな実が
すずなりになった茎を、耳元で振るとペンペンと鳴りそれで遊んだ野草。ごぎょう(御行)
は別名母子草と呼ばれ、植物愛好家にはエーデルワイスの仲間として有名な野草。
はこべらは小鳥のエサとして与えた野草。そして最後のほとけの座は、これはたびらこ
(田平子)のことで、春先田んぼにびっちりつくことからついた名前だが、七草の中では
1番知られていない野草である。
このように 「せり すずな すずしろ」と野菜になっている植物の多数派。
「なずな ごぎょう はこべら」は少数派。さらに「ほとけの座」は超少数派
これらが七種集まって春の七草。一つも欠けることができない。
これが一年の健康を願う ”七草粥”になるなんて なんて素敵なことだろう・・・。