僕は今、秋田にいます。

今朝まで青森にいたのに、秋田まではるばるやってきました。走行距離は376キロ。高速一本の横浜から盛岡を除けば、自己最長記録です。

今日のツーリングは、それはそれは色々あって、ブログに全部書くことはできません。

大まかに言えば、一勝一敗。一勝とは、津軽半島のツーリングが今までで一番良かったこと。青森市街から陸奥湾の沿岸をひたすら北上するルートなんだけど、もうお腹いっぱいでライダーになって幸せをたくさん教授しました。

津軽半島最北端の龍飛崎まで行ったんだけど、八月になって初めて晴れたと聞きました。昨日まで暴風雨だったそうな。青森駅から国道280号に乗り、ひたすら北上します。280号はしばらく民家の間を走るので、海沿いを走りたければ280号から右へそれて、漁師の倉庫のような建物が立っている道を走ることができます。
・漁師の道
テツログ-漁師の道

スカッとした青い空の下、国道280号(松前海道)を走るのは超気持ちいい。右手には津軽海峡と下北半島、北海道が見え、左手には鮮やかな緑色の山があり、その間を縫う様に走ります。

・国道280号
テツログ-国道280号

津軽鉄道の最北端にある三厩(みんまや)駅にも寄りました。私は鉄道オタクのテッチャンではありませんが、田舎の小さな駅にはなぜか旅情を感じます。電車も見たかったのですが、残念ながら10分前に出発したばかりでした。

・三厩駅
テツログ-三厩駅

テツログ-三厩駅3


龍飛崎は丘の上にあるので、空に向かって上昇していくような気分になります。

唯一の階段国道の339号があり、もちろん上り下りしました。運動不足なので疲れましたが。

・階段国道
テツログ-階段国道


龍飛崎からは、右手に下北半島、中央に北海道、左手に小泊半島がきれいに見えます。龍飛崎は、左波と右波がまるで戦闘しているようだと昔の知識人が描写していましたが、今日はおだやかで左波と右波は休戦しているかのようでした。

・龍飛崎
テツログ-龍飛崎(内側)

テツログ-龍飛崎(頂)

テツログ-龍飛崎(外側)

テツログ-龍飛崎(海)

テツログ-龍飛崎(碑)


龍飛崎から南下する、龍泊ラインもまた素晴らしかったです。右手は陸奥湾から日本海に変わり、徐々に高度を下げて行きます。

鮮やかな緑と青に二分されたカンバスを走ります。龍泊ラインが一番気持ちいいラインになりました。

・龍泊ライン
テツログ-龍泊ライン

次の目的地は十三湖。ルートであると同時に、司馬遼太郎が「街道をゆく 北のまほろば」でしじみ汁を食べたので、真似したくなりました。

私が入った「和歌山」という店では、しじみ汁はあったけど、特製しじみラーメンを食べました。意外と美味しかったです。

ここで一敗がありました。店のスタッフが車を駐車する際に誤って僕のバイクに当ててしまい、バックライトが割れてしまったのです。後でよく見ると、ナンバープレートが少しゆがみ、マフラーに傷が付いていました。

店のご主人らしきおじさんが大変恐縮していたので、私の方が困りました。たいしたことないから弁償はいいですよ、と言ってみたけれど、自分で支払うのが無理な場合には手続きに基づいて請求するかもしれません。店には恨みは全然ありません。旅にトラブルはつきものだから。

・閑話休題 こんな道を通りました

巨大な風車。まるで新世紀エヴァンゲリオンから飛び出してきたロボットのように見えました。
テツログ-風車1

テツログ-風車2

畦道。いい写真が撮れました。
$テツログ-畦道



次の目的地は、金木の太宰治の「斜陽館」です。別に太宰治のファンではないけれど、最近読んで良い小説家だなと生意気に思っていました。

斜陽館は、太宰治の生家です。すごい家で驚きました。大きさも半端じゃないけど、内装の豪華さも半端じゃありません。

太宰治は、飢饉があった際に、自分の家が小作人を搾取しているのではないかと思い悩んだそうです。たしかに、太宰治は大変ボンボンです。太宰治の屈折した悩みを知り、太宰治が文学の道に進んだのも理解できるような気がしました。

・太宰治が住んだ家 「斜陽館」
テツログ-斜陽館


斜陽館を出ると、木造駅に向かいました。これも司馬遼太郎の本で知ったのですが、駅舎に巨大な土偶の像があるらしいのです。当時の村長が作ったのです。駅舎と一体化して巨大な土偶が立っています。本物の土偶のように、粘土に似た質感があり、俗っぽいと一蹴できないものでした。

・木造駅の巨大土偶
テツログ-木造駅


自動車に乗ったカップルが駅前で自動車を止め、土偶と記念撮影をするとさっさと行ってしましました。木造では、教科書に載っていて誰もが知っている土偶が出土されたのですが、駅舎の土偶だけ撮って帰ってしまうのでは、村長の目的もまだ半分しか達成されていないのでしょうか。

ちなみに、木造は元横綱の旭富士の出身地でもあります。

黄金崎不老不死温泉という、夕陽が見える混浴露天風呂に泊まりたいと考えており、木造にて温泉旅館に電話をかけたところ、すでに満室でした。

一泊一万円以上もする贅沢な宿に泊まろうと意気込んでいたので、非常に落胆しました。

龍泊ラインまでハッピーだったので、神様が損をさせて一勝一敗にしたのだろうと自分を納得させながら、鰺ヶ沢に向かいました。鰺ヶ沢には、最近有名になった犬の、ぶさかわ犬のわさおくんおり、会いたかったのです。

黄金崎不老不死温泉に泊まれなくて落胆し、もうわさおくんのことはいいやと思っていたのですが、走っていた国道101号沿いにたまたま、わさおくんの家を見つけました。

・鰺ヶ沢のわさお君の家
テツログ-わさおくんハウス


焼きイカなどをおばちゃんが売っている店でした。わさおくんは散歩中なのか小屋におらず、脱け殻となった小屋だけを写真に納めました。お腹がすいていたので焼きイカを食べたのですが、龍飛崎で食べた焼きイカよりも美味しかったです。

まだ宿が決まらず、盛岡と青森で泊まった東横インのありそうな大きな町を目指す事にしました。弘前にありますが、来た道を戻りたくなかったので、千畳敷で秋田に行こうと決めました。時刻は17:30。20時までには着くだろうか。

決めたら、ひたすら101号を南下です。ずっと日本海沿いの道です。夕陽がきれいと評判なので、良い夕陽スポットがあれば停車して撮影会しようと思いながら走りました。もう少し沈んだ瞬間が良かったけど、夕陽とは反対方向に進んでいたので思っていたようなものは観られませんでしたが、なかなか良かったです。

・日本海に落ちる夕陽
$テツログ-夕日


101号ではあまりスピードが出せません。バイクでは。なぜなら、トンボがやたらと飛んでいて、あんまり早く走るとトンボが回避できずに身体に衝突するからです。飛んでる虫に気を遣わない自動車はびゅんびゅん走って追い越されました。虫もライダーにとって悩みのひとつだと知りました。だから、101号では、宿をとっていないから大都市に急いでいかなければいけないのと、とんぼに邪魔されてスピードを出せないジレンマの中を走ることになりました。

日は暮れ、能代に着いたのは19時近く。能代で秋田のビジネスホテルに電話をかけて宿をとろうとしたのですが、東横イン含め、みんな満室です。今夜の寝床はどうしようか本気でなやみつつ、四件目にかけると、なんと空き室がありました!まだ能代から秋田まで70キロ近くあるので、能代で楽になれて良かった!

能代から秋田道に乗り、秋田に向かいます。秋田道からも59キロあるけど、秋田道は照明がなく、一車線なので心細かったです。夜で寒いし、秋田の繁華街を思いながら自分を勇気づけて走りました。

最初は黙って走っていましたが、東北道でしたように、1人カラオケ大会をしたら随分元気が出ました。

そしてようやく、ビジネスホテルのドーミーイン秋田に到着し、笑顔で応対してくれた女性スタッフに癒され、ビールを飲んでくつろいでブログを更新しています。中華そばが1杯サービスで付いていました!

明日は横浜に帰ります。秋田は初めてなので、せっかくだから少し観光もします。

-------------------------------
■ルート
青森駅 6:15
 ↓
国道280号
 ↓
三厩駅
 ↓
国道339号(階段国道含む)
 ↓
龍飛崎
 ↓
龍泊ライン
 ↓
十三湖
 ↓
金木(斜陽館)
 ↓
木造駅
 ↓
鰺ヶ沢
 ↓
国道101号
 ↓
能代
 ↓
能代南ICから秋田自動車道
 ↓
秋田中央IC
 ↓
秋田市街 20:50


■走行距離
376.6 km

■走行時間(※休憩時間含む)
14時間35分

■高速料金
秋田自動車道 能代南~秋田中央:無料
 
合計    :0円

----------------------------

iPhoneからの投稿
HONDA XR230 に乗って、横浜の自宅から東北地方を走る旅も、今日が最終日となりました。

昨日、急にやってきた秋田駅前のドーミーイン秋田で目が覚めたとき、時計は9時10分前を指していました。窓を開けると8月の強い日差しが部屋に差し込んできました。

今、秋田にいるんだ、と認識しました。秋田県は東北地方ながら、青森のような厳しい冬といったイメージとは異なり、また岩手県のように、小岩井農場や宮沢賢治といった牧歌的なイメージとも異なり、私にとってはイメージの捉えにくい県でした。

司馬遼太郎の「街道をゆく」の秋田の道をたまたま読んでいた他に事前に知識を取り込んでおらず、せっかく大変な思いをして秋田まで来たのだから(真っ暗な一車線の秋田道のことを振り返りつつ(>_<))、帰郷するのが大変になっても少し秋田の町を歩こうと決めました。

チェックアウトは午前11時なので、1時間半は観光する余裕があります。鍵をフロントに預けて、町の人の様子が見られそうな喫茶店でモーニングセットを食べるために駅に向かいました。

人が歩いているところが見られそうな窓際の席がある店が良かったのですが、どこにでもあるスタバくらいしかなかったので、駅の校舎のローカルな喫茶店に入りました。

構内でもらったガイドマップを見て、赤れんが郷土館と千秋公園を見ることにしました。チェックアウトまでに時間があるのは赤れんが郷土館だけなので、赤れんが郷土館まで歩いて行きました。

地元の横浜には赤レンガ倉庫があり、明治期に建てられた同様の建築物に興味がありました。明治期の建築は、重厚で真面目な中年紳士のようなので、変に安心感があります。

赤れんが郷土館は、旧秋田銀行本店として明治末期に建てられ、後に秋田に寄贈されて国の重要文化財に指定されています。

チェックアウトまでに時間がなかったので、外観の写真を撮るだけになりました。歴史を感じさせる、気品のある建物でした。

急いでホテルに帰ってチェックアウトを済ませ、バイクで千秋公園に行きました。天気は太陽がギラギラと照りつけて、ジャケットが暑かったです。

またライダーの苦労話なのですが、町を少し走るだけならいいのですが、高速に乗る長距離のツーリングになると、肘にプロテクターが付いたジャケットが必須なのです。私のジャケットは、夏用にメッシュ地で風通しが良いのですが、夜や雨が降ると逆にメッシュ地だと寒いという、難しいジャケットなのです。帰りの東北自動車道で体温の調整には苦労しました(>_<)。

千秋公園には、江戸時代いっぱいの旧藩時代に秋田の殿様だった佐竹家の佐竹資料館があり、現在は藩政時代初期から幕末に至るまでの佐竹氏の歴史について展示していました。

偶然、両親の会社に佐竹氏のご子孫が勤務していたという話を聞いていたので、どれどれ、その佐竹という殿様はどんなお方だろうという気持ちで入りました。

佐竹氏は、「清和源氏の流れをくみ、大名として全国で最も古い歴史を持つ」家柄で、家柄の古さからいえば、徳川家や織田家なんかよりもずっと古いみたいです。家ではなく、家柄を守ることは、随分色んな苦労をしてきたのでしょうね。

佐竹資料館を出たら、千秋公園の中にある、久保田城跡を見学し、いい時間になってきたので、秋田駅を離れて日本海側沿いを走ることにしました。今度の旅はバイクの旅なので、観光よりも走ることが目的なのです。

国道七号(酒田街道)を南下し、本州初の桟橋上に出来た道の駅の道の駅岩城でマグロ丼を食べました。後で分かったのですが、秋田の名物のハタハタを食べたら良かった。男鹿半島が見えると思ったのですが、残念ながら角度が悪く、見る事ができませんでした。それにしても、夏の日本海はすごく天気が良いです。

午後2時に道の駅岩城を出発しました。横浜まで、ひたすら高速道路をうんざりするほど走ります。

道の駅岩城から出発して岩城ICに乗り、日本海東北自動車道、秋田自動車道、東北自動車道、首都高湾岸線、横羽線を通って、自宅に着いたときには0:40を回っていました。秋田から699キロもの長距離走行でした。

盛岡まで向かった行きでは、福島、宮城、岩手を通るときに雨が降りましたが、帰りは那須高原から宇都宮周辺まで雨が降りました。山の天気は崩れやすいですね。

旅の日記はこれで終わりです。
長期の旅行らしい旅行をしたのは実に四年振りで、色々思うことがありますが、それはまた別途書くことにします。





iPhoneからの投稿
今日はバイクを休ませて一日青森市内を観光しました。

憧れの青森をようやくゆっくり見物できます。でも、実際は忙しい一日でした。

まずは徒歩で海を見に行きました。今は、横浜の氷川丸のように博物館になっている八甲田丸の近くを歩きました。前方には、陸奥湾を抱きこむように、津軽半島と下北半島が見えます。その先は北海道だから、本州の最果てまで来たもんだと感動しました。

・八甲田丸
テツログ-八甲田丸2

テツログ-八甲田丸3

テツログ-八甲田丸1


一人旅らしき女の子が歩いていたけど、反対方向に歩いていて話しかけるチャンスがなかったのは残念至極でした。

天気は快晴で、青森焼けできそう。横浜と違い、青森港は少し寂れていていいですね。廃棄と化した電車があったり、子供の頃に見た、ブルーに塗りつぶしているJRの電車を見ると、青森に来たなあという思いになりました。

・ブルートレイン
テツログ-ブルートレイン

・廃墟と化した「休憩列車」
テツログ-廃車1

テツログ-廃車2

駅のレンタルサイクルを借りて、三内丸山遺跡に向かいます。徒歩ではちょっと辛い距離です。


青い空の下を、ゆっくりペダルを漕ぎながら走るのは、バイクとはまた違った楽しさがあります。三内丸山遺跡に向かう通り道に、青森県立美術館があったので寄りました。

美術館はなかなか良かったです。ロボット展を開催中で、ロボットが人間の歴史に登場したところや、日本の漫画やアニメに登場する、誰もが知ってるロボットの原画が展示してありました。ガンダム、鉄腕アトム、エバンゲリオン、ウルトラマン、名前は分からないけど、誰しもが子供の頃に夢中になったアニメや漫画が紹介してありました。

みんなものすごく緻密に描かれていて、日本人として誇らしくなるとともに、作家には敬意を表したくなります。

常設展では、いわゆる現代アートが展示されていました。⁈、と思わせる様な、違う世界を覗いたような気分になります。芸術家というのは、自分の頭の中の妄想が頭の中に収まらず、外に向かって溢れ出してしまった人間なのだなあと感じました。常識に凝り固まった自分のことを反省する気持ちが起こりました。世間体なんか気にせずに、自分の中の妄想を外に出したいですね、いつか。

・青森県立美術館
テツログ-青森県立美術館1

テツログ-青森県立美術館2

・美術館内の”青森犬”
  青森県と青森犬(あおもりけん)を掛けたのか?
$テツログ-青森犬


青森県立美術館でけっこう時間を費やしたので、三内丸山遺跡は少し急いで見学しました。

遺跡は、土器、土器、土器でいっぱいです。初めて見たのですが、50センチくらいの大きなものもあって驚きました。

また、イノシシなどの、目的のない純粋な芸術品もすでにあり、芸術は人間にはなくてはならない本能のようなものだと感じました。事務的なことばかりに縛られている自分をこれまた反省。

・三内丸山遺跡
テツログ-三内丸山遺跡1

テツログ-三内丸山遺跡2

・発掘されたばかりの縄文土器
テツログ-土器

・縄文人の暮らし
テツログ-縄文人


天気があやしくなってきたので、急ぎ足で棟方志功記念館に向かいました。途中で強い雨が降り、用を済ませたらさっさと止みました。青森の天気はまるで予想がつきません。

棟方志功記念館は展示品は少ないですが、ひとつひとつの作品をじっくり鑑賞できて良かったです。この人は、版画を描くために生まれてきた、選ばれた人間なんですね。作品のひとつひとつに魂が込められているのを感じました。

・棟方志巧記念館
テツログ-棟方志巧記念館

これで目的は達成したので、埠頭に行ってじっくり海を眺めました。空はどんよりとしており、いかにも北国らしい良さが出ていました。

・埠頭から青森港を望む
テツログ-青森港1

・下北半島
テツログ-青森港2


締めは、味のあるコーヒーショップの鳴海屋珈琲店でブレンドコーヒーとコロンビアコーヒーを飲みました。

客は私1人で、ご主人の鳴海さんとお話できました。ご主人は画家でもあり、店内にはご主人の絵が飾られていました。

代表作の「祈り」という絵は、聖母マリア様を思わせる様な、目を閉じて微笑んでいる女性の絵で、見ていると癒されます。

お土産には、家族用に、数の子等の漬物のねぶた漬けを、会社には小麦のおせんべいを、自分にはスタミナ源タレのふりかけを買いました。みんな、青森出身の友人に教えてもらったものです。

青森市街はこんな風にして過ごしました。気に入りました。今度は厳しい冬コミに来たいです。

明日は、津軽半島の先っぽの龍飛岬、太宰治のゆかりの地の金木、巨大な土偶の像が駅舎にある木造、ぶさかわ犬がすんでいる鯵ヶ沢、そして可能であれば黄金崎不老不死温泉に泊まりたいです。


----------------------------
■ルート
青森市街をゆく

青森港
 ↓
青森県立美術館
 ↓
三内丸山遺跡
 ↓
棟方志巧記念館
 ↓
青森港


■走行距離
- バイクはお休み

■走行時間(※休憩時間含む)
- バイクはお休み

■高速料金
- バイクはお休み
 
合計    :0円

----------------------------

iPhoneからの投稿