<4年ぶり赤字、キオクシアの現状>
~赤字地獄の業績とNAND型市場の不況~
キオクシアが危機に陥っている。
キオクシアHDが11月14日に2023年7〜9月期の連結業績を発表した。
営業損益は、4四半期連続となる1008億円の赤字となった。
4〜6月期の1308億円という赤字からは損失幅が少し縮小した。
売上高は2414億円となり、前年同期比38%減で前四半期の売上高2511億円からも減少する形となった。
なお、連結最終損益は860億円の赤字になるようで、前年同期は348億円の黒字だったが、4年ぶりの赤字へ転落することとなった。
その赤字地獄の原因となっていると考えられるのが、キオクシアの強みでもあるNAND型フラッシュメモリだ。
このNAND型フラッシュメモリは、キオクシアが開発したフラッシュメモリであり、世界シェア2位の主力製品である。
しかし、NAND価格市場は大不況状態へ陥っている。
2023年第1四半期(1〜3月期)は前四半期比16%の下落だったと発表されている。
この状況は、今年から始まった訳でなく、2022年第3四半期(7〜9月期)から下落が続いていた。
この不況から、大手各社も設備投資を控えている(キオクシアの岩手県北上工場稼働延期もその1つ)。
米ウエスタンデジタルとの経営統合失敗などから流れも非常に悪い状態だ。
キオクシアの業績回復は、フラッシュメモリ市場の需要回復を待つしかないのだろうか?
その辺りの動向に注目しつつ、キオクシアの復活を期待したい。
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