<キオクシア再編にストップ、二転三転する動き>

~SKハイニックスが拒否、メガバンクらは融資へ~

 

 

 

※キオクシア再編に関する過去記事

 

 

 

前回、キオクシアが米ウエスタンデジタルとの経営統合で大詰めの局面を迎えているとお伝えしたが、やはりそれほど上手くはいかないようで、その後二転三転する動きを見せたため、今回はそちらの方をお伝えしていきたい。

 

 

 

 

 

キオクシアHDと米ウエスタンデジタルの経営統合が難航していることについて、韓国SKハイニックス側が経営交渉が難航した場合に備え、代わりにソフトバンクグループが出資するよう、同社へ連携の打診を行っていることが分かった。

 

ソフトバンクグループとしても出資には前向きなようで、出資強化により、DRAMを安定的に調達する狙いがあるそうだ。

 

 

さらに10月20日、三菱UFJ銀行など3メガバンク日本政策投資銀行の4行が約1兆9000億円の融資をキオクシアHDと米ウエスタンデジタルの経営統合にて確約したと発表した。

 

では、これほど順調に歩みを進めているように感じるこの経営統合にて、なぜSKハイニックスが拒否し続ける理由のか?

それを紐解く鍵は、キオクシアの成り立ちに存在する。

 

 

キオクシアは、旧東芝の半導体メモリー事業が2015年の不正会計問題から起こった経営危機が影響し、分社化されて設立された企業だ。

2018年、米投資ファンドベインキャピタル、韓国SKハイニックス、日本HOYAで形成された日米韓連合へ売却され、現在の社名に至る。

 

この売却の際、SKハイニックス側は日本円で約4500億円を投資した経緯がある。

 

しかし、それだけが経営統合へ反対する理由ではない。

 

最たる理由とされているのが、SKハイニックスがしのぎを削るNAND型フラッシュメモリの市場にて、キオクシアの猛追を防ぐためという見方だ。

 

だが、そんなライバルとなる企業がどん底を経験している時に支援をしたという過去はしっかり存在する。

SK側からしても、「助けた時の恩はどこへ行った?」といった気持ちにならざる得ない部分は少なからずあると思う。

 

 

1週間だけで動きが二転三転するこの経営統合話にいつ決着がもたらされるのか?

特に、今後注目していきたい。