<ラピダスとTSMC、年末に向けて動きが加速>

~伝説のエンジニアとタッグ、TSMCは九州で3ナノ検討~

 

 

 

日本の半導体企業ラピダスと先日6ナノの半導体を新たに熊本で製造することを決定した台湾の大手半導体受託製造企業TSMCが年末に向けて動きを加速させている。

 

 

まずはラピダスからお伝えしたい。

 

2023年11月16日、ラピダスはカナダ・Tenstorrentテンストレント)とIPコア(既に開発・検証されて流用できる部品)の開発について協業していくことで合意した。

 

これからは、ラピダスの工場でテンストレントが試作したエッジ機器(ネットワークの末端に接続された機器)向けのICチップを試作し、このチップの評価によって、テンストレントはラピダスと今後製造契約を締結していくかどうかを決定する。

 

このテンストレントが注目される理由は、CEOに存在する。

CEOは、米Appleの「Aシリーズ」第1弾「A4」などのチップ設計に関わった”伝説のエンジニア”ことJim Kellerが勤めている。

 

ラピダスがテンストレントと製造契約締結まで漕ぎ着くことができれば、ラピダスの今後は非常に開けるだろう。

 

 

 

続いては、TSMCの話題へ移りたいと思う。

 

Bloombergの関係者情報によると、TSMCが九州地域に3つ目となる半導体工場の建設を視野に入れていることが分かった。

 

第3工場では、新たに3nmの製造が検討されている。

現状では、これまで通り熊本県での建設を考えているようだが、兼ねてよりお伝えしている水問題に加え、交通渋滞や人材確保といった課題が住民の不安を拭うことなく存在する。

 

 

この年末に向けて加熱する半導体情報の数々。

特に、日本の次代を担うラピダスと世界の次代を担うTSMCの今後の行く末には目を光らせて注目していきたい。

 

 

 

 

※TSMC水問題に関する過去記事