<TSMCと熊本県 環境アセスメント緩和の裏>

~緩和要件は寄付? 地下水財団のメンバーにも違和感~

 

 

着々と進められているTSMC工場の建設。

しかし、TSMCと熊本県への水問題に関する根幹部分の住民の不安を拭いきれていない。

 

 

 

 

熊本県はTSMCに対して、環境影響評価(環境アセスメント)を行なっていない。

2ナノ半導体の製造が囁かれている台湾の高雄新工場ですら市の政府環境保護局がアセスメントを行なっている。

 

今回行われた環境アセスメントの改正では、公益社団法人くまもと地下水財団へ寄付を行えば、涵養を行ったものとして見なされるようになった。

 

改正前は涵養事業へ企業の土地開発で減少した分の約1割を協力金として支払う形だったが、「寄付を行う」に変更された。

 

もちろん、地下水財団は寄付金を「水田湛水事業等」へ適切に使われる旨が県のパブリックコメントに対する返信で書かれているが、1つの懸念が残る。

 

 

 

財団へ寄付するということは、そこに所属する幹部連中にも寄付金が渡る。

そのメンバーを見渡せば、理事長に熊本市長、副理事に熊本県副知事、幹部には熊本県内の町長〜村長の名前がズラリと並んでいる。

 

つまり、何かしらの融通を効かせて利益相反の形でお金を受け取る構図が十分想定できる訳だ。

 

 

 

なお台湾では、TSMC新工場の計画が住民達の反対多数で断念する形となっている。

報道内では、政府側がTSMCの拡張計画を理解した上で、土地を安く譲り渡した点が気に食わず、住民達が怒っているという訳だが、本当にそれだけで工場計画が断念されるほどの反対の声が挙がるだろうか?

 

こういった部分に対して、熊本県側は脚を運んで住民側の声を聞き取る必要がありそうだが…。

 

とにかく、今後もこの水問題に関するやり取りには注目して見ていきたい。