財務省は、財政均衡主義を唱えます。すなわち、国(政府)に入ってきた税収の範囲内で、支出をしなければならないと主張します。
そして、国が借金をすること、すなわち税収以上に支出するために、赤字国債を発行することを極度に嫌います。
しかし、よく考えてみてください。税収の範囲内で支出すると言う事は、政府と国民の間を、お金が行ったり来たりするだけで、貨幣量(マネーストック)は全く増えないのです。
なぜなら、国民のお金が一旦政府に移り、そのお金がそっくりそのまま国民に戻るだけだからです。
これが繰り返されるだけなので、貨幣量は全然増えません。
しかし、経済が成長するためには、あくまで生産力の向上に合わせて、貨幣量も増えなければならないのです。
日本の国に出回るお金の量(マネーストック)は、57年間で1200兆円以上も増えています。
マネーストックが1967年= 30兆円
2024年= 1250兆円
まさに凄まじい増え方です。
そもそも、経済が成長すると言う事は、お金の量も増えると言うことです。
科学、技術が進歩すれば、生産能力が高まるのであり、そうすると、生産されるモノ、サービスの量も増加します。
その増加したモノ、サービスを取引、売買する上で、お金の量もそれに合わせて増えなければなりません。
そうでなければ、経済全体が停滞、逼迫し、経済成長がストップして、デフレ現象を引き起こすでしょう。
そうならないために、貨幣量は必ず増えなければなりません。
そして現実に、日本において57年間で、1200兆円と言う膨大な額のお金が増えたのです。
さらに、GDPも57年間で47兆円から570兆円に成長することができたのです。
もし日本が、完全に財政均衡主義を貫いていたなら、貨幣量は全然増えなかったはずであり、かつGDPの成長もなかったはずです。
しかし、現実に貨幣量が著しく増加した理由は、まさに均衡財政ではなく、巨額の財政赤字を積み上げてきたからです。
すなわち、政府は毎年、赤字国債を発行し続けてきたからです。
なぜなら、政府が国債を発行すると、その大半を銀行が買います。この時、銀行は「信用創造」によって生み出したお金によって国債を買うのです。
「信用創造」とは、銀行が新たにお金を生み出す機能のことです。
したがって、銀行が国債を買った額だけ、世の中の貨幣量は増えるのです。これが繰り返されることによって、57年間で1200兆円もの貨幣量が増えたのです。
要するに、政府が国債を発行したから、貨幣量が増えたのです。
このような変則的なお金の増え方をする理由は、日本が管理通貨制度を採用しているからです。
管理通貨制度においては、政府による「国債の発行」は、「通貨の発行」と同等なのです。
