国(政府)には、1千兆円以上の借金があることになっているが、これは途方もない大間違いであり、勘違いです。
なぜなら、政府は通貨を発行する権限を持っているからです。
日本において、唯一、通貨を発行することができるのは政府だけです。
その政府に、なぜ借金があるのでしょうか?これは、途方もない矛盾と言うものです。
政府は国全体の生産力の拡大、すなわち経済の発展に伴って、通貨を増やさなければなりません。
生産力が拡大すれば、当然生産されるモノ、サービスの量が増大するからです。
この増大するモノ、サービスを取引、売買するためには、貨幣量も増えなければなりません。
もし、貨幣量が増えなければ、この国は確実にデフレーションを引き起こし、経済の発展は滞るでしょう。
上のグラフを見てください。
「マネーストックM2」(日本に出回るお金の総量)は、1967年には約30兆円であったのが、2024年には約1250兆円になっています。
実に、57年間で1200兆円以上も増えているのです。この膨大な額のお金は一体誰が増やしたのでしょうか?
刑法第148条に「通貨偽造の罪」と言う法律があります。
これは一般人、民間人がお金を偽造してこれを使用すると、厳しく罰せられると言うものです。
そうであるなら、1200兆円と言うお金は、政府が発行したと考える以外にありません。
しかし、驚くことに、政府には1000兆円以上もの借金(財政赤字)があると言うのです。これは一体どうしたことでしょう。
そこで我々は、まず第一に考えなければならないのは、日本はどんな通貨の発行方法を用いているのかと言うことです。
日本は、「管理通貨制度」と言う通貨の発行制度を採用しています。この制度は、一体どういう制度であるかを、まずよく知らなければなりません。
なぜなら、この制度はかなり奇妙な制度だからです。
それはどういうものか?
中央銀行である日本銀行が、民間銀行から何らかの金融資産(手形や債券など)を買い取ります。
そして、日銀は、その金融資産の支払いとして、「日本銀行券」を民間銀行に渡します。これで終わりです。
これが日銀による通貨発行の全てです。
後は、民間銀行が、受け取った日本銀行券をいかにして世の中に送り込むかです。
送りこむ方法は、銀行が企業や個人にお金を貸し出すしかありません。
これ以外に、世の中に送り込む方法がないのです。したがって、考えようによっては、実際に通貨を発行しているのは、民間銀行と言えるでしょう。
57年間で、マネーストックが1250兆円増えたのは、これだけの膨大な額のお金を、銀行が貸し出したからです。
なぜなら、「管理通貨制度」においては、これ以外にマネーストック(世の中に出回るお金の量)を増やす方法がないのです。
しかし、企業や個人がこれだけのお金を銀行から借りるのは、いくらなんでも無理があります。そこで政府が登場します。
政府が大口の借り手となったのです。
政府が国債を発行すると、その大半を銀行が買います。そうすると、政府が銀行からお金を借りたのと同じことになります。
政府は、国債を発行して、銀行から借金をする形をとることによって、通貨を発行しているのです。
要するに、「管理通貨制度」においては、銀行からお金を借りるのは、通貨の発行と同じことになるのです。
よって、「国債の発行」は「通貨の発行」と同等なのです。
前のグラフにあるように、マネーストックが増えたからこそ、GDPも増えることができたのです。
お金の量が増えないのに、GDPが増えること、すなわち経済の成長は絶対にありません。
政府は、国債を発行することによって、日本経済を成長させたのです。
問題はどこにあるのか?
90年以上前に採用された「管理通貨制度」があまりに古い制度だから、現代には合わないのです。
90年前の日本の経済規模は、現在とは比べ物にならないほど小さかったのです。したがって、この時代の貨幣量は増えすぎないような通貨発行制度が望ましかったのであり、「管理通貨制度」でなにも問題なかったのです。
しかし、現在の日本は全く違います。
ものすごい勢いで、技術革新が起き、生産力が著しく向上しています。
もはや、時代に合わない古臭い制度は廃止すべきでしょう。
何しろ、政府が通貨を発行するためには、政府が借金をする形式を取る以外に方法がないのですから。

