経済の実態は生産です。決して貨幣ではありません。
生産したモノ、サービスを取引、売買する上で便利なので貨幣を使用するのです。
モノ、サービスは生産設備と人間の労働によって生産されます。貨幣自体が働いてモノ、サービスを生み出すわけではありません。当たり前のことですが。
生産設備と人間の労働がモノ、サービスを生産するから、それを売買する貨幣に価値が生まれるのです。
その証拠に、生産が全く行われない世界にあっては、貨幣は何の価値も持ちません。砂漠のど真ん中(店も自動販売機もホテルもない、ただ砂があるだけの地帯)に、大金を持って出かけても、そのお金は何の役にも立ちません。
すなわち、モノ、サービスなどの生産の全くないところでは、お金は価値を持たないのです。
そんな事は言われなくてもわかっていると言うでしょうが、案外これがわからない人間がたくさんいるのです。
コロナのために非常事態宣言を出して、飲食、宿泊業などに休業を要請するのは間違ってはいません。これをやらなければ、コロナは収まらないからです。
しかし、休業させる以上、十分な補償を与えなければなりません。もし、保証が充分でないために、店を畳んでしまうところが多数出てしまうと、それに相当する貨幣が価値を失うことになります。
なぜなら、貨幣に価値を与えるはずの生産が消滅するからです。したがって、政府は今ある生産設備と人間の労働を維持、存続させなければなりません。
そのためには十分な金銭的補償を休業要請に従った企業、店舗等に支払うのです。その財源は、国債発行によって調達して何ら問題ありません。
これによって増える財政赤字は、単なる数字の記録に過ぎないからです。はるかに重要なのは生産です。
なぜなら、生産があるから貨幣が意味を持つからであり、生産がなくなれば貨幣は無意味になるからです。
財政赤字が増えるのを恐れて、十分な補償を行わないために、生産を消滅させてしまったら、それは本末転倒と言うものです。
インフレについて
よく、財政赤字が巨額になると、ハイパーインフレになると声高に叫ぶ者がいますが、これは大間違いです。
そうではなくて、生産が消滅するからインフレになるのです。なぜなら、モノ、サービスを供給できなくなり、少ないモノ、サービスを多数の人間が購入しようとするから、価格が高騰するのです。
太平洋戦争後、日本は4年間で物価が 70倍になるほどの激しいインフレに見舞われました。(ただし、この程度のインフレはハイパーインフレではなく、悪性インフレの範疇です)
その最大の原因は、空襲による工場地帯の徹底的な破壊による、生産能力の毀損によるものでした。
ものを作ることができなくなったから、激しいインフレになったのです。
国債を発行して財源をつくり、生産活動を守ることができれば、国債発行はとても意味のある行為になるのです。財政赤字(単なる数字)が巨額になるのを恐れて、国債発行をせずに、多数の企業や店舗を倒産、廃業させてしまったら、これほど愚かな事はありません。
こちらの方がインフレになる原因になるのであり、また、一国経済を衰退させるのです。そして、子や孫に大きな負担を負わせることになるのです。
一方、財政赤字は数字にマイナスがついているだけで、一国経済に何の影響も与えないし、子や孫にツケを回すこともありません。
現在、コロナの第4波がおそいかかっていますが、これまで緊急事態宣言を発令して、ようやくコロナが収まりかけると、今度は経済が大事と言って、ゴートゥーキャンペーンなどを推進して、再びコロナを蔓延させ、また緊急事態宣言を出すと言うことを4回繰り返しました。
同じことを繰り返してはいけません。
完全にコロナが収束するまで、緊急事態宣言を継続し、そして十分な休業補償を行えば良いのです。
お金はタダで刷れるのです。国債もただで発行できるのです。国債を買った者は立派な金融資産を保有したのです。国債は利子がつくので、現金を持つよりも得になるのです。(国が発行する借金証書は、金融資産となって世の中を流通します。個人が出した借金証書は、金融資産にはなりませんが)
国をリードすべき政治家、官僚、学者はそろそろ気がついても良いのではないでしょうか。生産こそが経済の実態であり、貨幣ではないと言うことを。
生産は大変な労力によって作り出すものです。これを破壊してしまったら再構築は大変なのです。
あと2、3ヶ月でワクチン接種が相当進むでしょうから、それまでの辛抱です。