世の中には不思議なことを言う人がいます。「財政赤字が巨額になると、通貨に対する信任が得られなくなり、その国はデフォルト(破綻)する」などがその最たるものです。
信任とは、いったい具体的にどういうものでしょうか? なんだか「経済学」と言うより、むしろ「心理学」に近いようです。
もし「信任」と言う言葉を使いたいのなら、「通貨に信任を与えるものは、その国の生産力である」と言うのが正しいでしょう。
モノ、サービスを十分に生産する能力があるから、その国の通貨(貨幣)が価値を持つのです。生産がなければ、どんなに大金を積んでも何も買えません。ものすごく当たり前の事ですが。
次に、「自国通貨建ての国債はいくら発行してもデフォルトしない」ですが、これは全く正しい。
政府は自国通貨はいくらでも発行できるからです。一方、当たり前ですが他国の通貨は発行できません。したがって他国通貨建ての国債は多額になるとデフォルトの恐れがあります。
ただし、他国通貨建ての国債を発行していても、デフォルトしない国はたくさんあります。ドイツ、フランスなどが良い例です。
これら、共通通貨ユーロを使用する国々は、自国通貨を持たないので、ユーロ建て国債しか発行できませんが、これらの国は、デフォルトする恐れなど皆無に等しいでしょう。
それは何故かと言うと、自国内に十分な生産能力を持っているからです。これらの国々は、外国から輸入しても、それと同じ位モノを生産して輸出するので、経常収支がそれほど赤字にならないからです。
このように、生産能力さえあれば、自国通貨を発行していなくても、デフォルトする事はありません。
反対に、自国通貨を発行していても、生産能力が充分でなければ、デフォルトはしませんが激しいインフレになる恐れがあります。
激しいインフレは、とても国民を苦しめるので、デフォルトするのと同じようなものです。
以上まとめると、自国通貨を発行していようが、していまいが、国内に十分な生産力があるかどうかが重要なのです。
しかし、生産力がある上に自国通貨を発行していれば一番良いのであり、鬼に金棒です。
日本はまさにこれです。何の心配もいりません。
要するに、最も重要なのは生産力であり、通貨に価値を与えるのは「その国の生産力」です。日本は充分すぎるほどの生産力があるので、巨額の財政赤字があっても、永久にデフォルトする事はありません。
国債の発行は貨幣の発行と同等です。生産力の向上に見合った貨幣の発行をしているので、インフレにもならないし、デフォルトにもならないのです。
現在、国の借金証書(国債)は立派な金融資産となって、世の中に流通しているのです。だから、国債の保有者は、誰もこれを返済してくれと政府に掛け合ったりしないのです。
返済してくれと言われないので、デフォルトのしようがないのです。
以上はMMT の正しさを生産面から説明したものです。
