我々の生活は、素晴らしい技術革新によって、年々便利になっていきます。

家電製品や自動車などには、ICチップが組み込まれ、驚くほど優れた機能を発揮します。掃除ロボットや全自動式洗濯乾燥機などもそうです。少し高級な電気カミソリには、AIが導入されていて、ヒゲの濃い薄いや、ヒゲの向きの変化などを感知して、出力や刃の向きを対応させるようです。

スマートフォンは、毎年、新機種が出ます。通信速度も4Gから5Gへと格段に速くなるようです。


我々の生活の急速に便利になっていく、これらの様子を眺めていて、気づかなければならないことがあります。

それは、産業界の生産方法が、この素晴らしい技術革新をいち早く取り入れて、猛烈な生産能力の向上が起きていると言うことです。

工場の中では、各種のコンピューター制御の機械やロボットが生産に携わり、そのため人間の姿はほとんど見当たりません。

技術革新によって生産能力が向上すると、まさに人間の労働が次第に不要になっていくと言う事でもあります。と言うよりは、企業はより利益を上げるために、人間の労働を機械、ロボットに置き換えているのです。なぜなら、機械、ロボットには給料を払わなくて良いからです。これ以上の経費削減はありません。


最近我々が目にするところでは、スーパーのレジが半自動になりつつあります。しかしこの半自動化は、おそらく全自動への過渡的、一時的処置なのでしょう。まもなくほぼすべてのスーパー、コンビニ、量販店などのレジの全自動化が実現するでしょう。

そうなると、日本中のレジ係の人の大半が失業することになります。その数、何万人か何十万人に上るでしょう。

このように製造業だけでなく、サービス業でも人間の代わりをする機械、ロボットが、どんどん導入されつつあります。


現在、人手不足と言う言葉をよく耳にしますが、この言葉を単純に信用してはいけません。上に述べたように、人間の労働は余分になりつつあるのです。

一部の、きつい労働の割に、待遇の良くない職種では、人手不足状態があるかもしれませんが、職業全体についてみると、決して人手不足では無いはずです。

そもそも、本当に人手不足なら、必ず賃金が上がるはずです。しかし、今の日本は、むしろ平均賃金が下がる傾向にあります。本当に人手不足(労働力不足)なら、賃金が下がるはずはありません。


人手不足と勘違いする理由に、少子高齢化による労働人口の減少があるようです。確かに労働人口は減少していますが、それを補って余りある技術革新の進歩があります。

凄まじい勢いで機械化、コンピューター化、ロボット化、AI化が進んでいます。人間の労働は、どんどん不要になりつつあるのです。だから賃金が下がるのです。

賃金が下がるから、国内の需要は低迷し続けて、デフレ経済に陥ってしまったのです。

岸田首相は、国民に向かって貯蓄を投資に向けるよう要望していますが、経済成長しないデフレ状態で、投資をしても儲かるはずがありません。


以上まとめると、今の日本は科学技術が進歩したために、機械化、ロボット化が進み、そのため人間の労働が不要になって、賃金が下がり、需要不足(デフレ)経済になっているのです。

要するに、科学、技術が進歩したために、日本は貧しくなっているのです。おかしな話です。

本来、科学、技術が進歩すれば、それだけ生産力が高まるのだから、その国は豊かになるはずです。なぜ逆に貧しくなるのでしょうか?

その理由は、企業は機械、ロボットが働いてくれるので、人間に高い金を出して雇う必要がありません。だから賃金を下げます。一方、人間の側は、たとえ安い賃金でも働かない訳にはいかないので、雇われて働きます。何もおかしな点はありません。企業も個人も、これ以外になすすべがありません。これが経済と言うものの自然な成り行きです。

しかし、自然な成り行きに任せていれば、日本は貧しくなる一方です。では、誰がこの問題を解決することができるでしょうか?

もちろん、それは政府以外にありません。政府が国債を発行して、幅広く財政出動し、国民の所得を増やすのです。そして、高い生産力にふさわしい需要を作り出すのです。

生産力にふさわしい財政出動をするのだから、ハイパーインフレになるはずがありません。

以上は、MMT の正しさを生産面から説明したものです。

我々は21世紀の、生き馬の目を抜くほど凄まじい技術革新の時代に生きているのです。それは我々の身の回りをよく観察すればわかることです。いずれにしても、経済を成り立たせるものは「生産力」です。

これを無視して、「財政出動すると、ハイパーインフレになる」と言う人は、どうか頭の中を入れ替えてください。

財政赤字は、政府がいくら貨幣を発行したかの記録でしかありません。恐れずに積極財政に転換しましょう。