大阪府寝屋川市からご来店のBMWZ3ハンドル回すと異音、助手席が前後にガタガタ動く、その他 | 大阪の外車輸入車専門の修理工場「トータルカーサービスアプリル」

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今回の入庫車はBMW Z3

いつも当店をご利用して頂いてるお客様の愛車。



今回の作業内容は、

ハンドルを回すと異音がする。

助手席側のシートが前後にガタガタ動く。

ウォッシャーが出ない。

パワステタンクからのオイル漏れ

入庫日をご予約頂きお約束通りご来店して頂きました。今までご予約の時間には必ずご来店や作業のやり取りなど、お話もとてもスムーズに進める事ができとても真面目で若いお客様なのです。

おクルマはお預かりし点検していきます。

ハンドルの異音を確認するのに少し走行テスト。

確かにハンドルを回せば異音がします。何かが擦ってる音。この音はエンジン側ではなく室内でした。

工場へもどり、どの箇所から擦り音がするのか確認します。一ヶ所ずつ確認していくとハンドルのすぐ下ぐらいから鳴っていました。ハンドル下のカバーを取り外し確認したところ、、、どうもスリップリングからみたいです。ハンドルはこれで確認できたので次はシートのガタを点検しましょう。



シートを手で押さえ前後に動かせばガタガタを動きます。5cmぐらい動くような感じでした。

シートの下のレールを確認しても分かりません。

点検していくのもシート本体を取り外しての確認となりますので取り外してみましょう。

シート本体の取付けは前後で4箇所取付けられてます。4ヶ所外して配線周りも外します。

これでシートを外に出す事が出来ました。シートも少し重いので注意して取り出しましょう。


シートを外に出しひっくり返しシートレールの確認する為にレールを分解し点検します。

分解し点検して行けば原因が分かりました。

シートレールにあるガイドブッシュが潰れて無くなっています。ブッシュで固定されてるのに潰れて無くなってるという事は、そこに遊びができる為シートが前後に動いてしまうという事ですね。

これでシートの原因も分かったので次はウォッシャーが出ない原因を点検します。

まずはウォッシャーが出ないのかスイッチを作動さし確認。

「ウィーン」モーター音もしてウォッシャーが出てきます。。

出ないはずのウォッシャーが出るではありませんか。。。

しばらく時間をおいて再度点検します。

ウォッシャーが出ません。

これで点検を進める事ができますね。

ポンプの点検しましょう。

と、確認すればウォッシャーポンプ周りが水浸し。

エアーで水を飛ばして点検すればポンプやグロメット、ポンプツナギ目パイプのすべて水が漏れています。

この辺り部品すべて交換ですね。

パワステタンクからのオイル漏れはOリング交換

それとエンジンオイルの交換時期になってましたので交換。

今回の作業内容のお見積りをしてからお客様へご連絡します。

お客様とのお話をし作業内容を決定して頂きます。

「全てお願いします」

いつもですがご返事は早い!

早速、部品を注文します。

ご返事が早ければ部品も早く到着します。数秒返事が遅ければ1~2日ほど遅れる場合もあるのでね。

最悪の場合、日本にある最後の1つが無くなり本国オーダーになる場合もあります。そうなれば1ヶ月、それ以上日数がかかる事も。。。

今回はすべて国内にありましたのですぐに部品も届きました。

まず、ハンドルの異音から作業しましょう!


ハンドルを取り外すのでエアバックから外していきます。エアバックの作業は少しドキドキします。作業が終わりキィーを回して電源が入った瞬間に「ドカーン」エアバック破裂したら、、考えると怖い。。

何故、そんな事を考えてしまうのかと言いますと、まだ私も若い時経験したからなのです。先に言っておきますが私ではありませんからね。ほかに従業員の方です。私は他の作業をしてましたら少し離れた場所から「ドカーン」って大きな音がしましたので見てみるとベンツの室内より煙がモクモクと出てきて、その中から人が降りてきました。初めは何があったのか分からなくよく見てみるとその方は血塗れ。。。ビックリしましたよ。で、ベンツを見れば煙が無くなり、エアバックが飛び出てました。エアバックの威力すごすぎる。。こんな事になるなんて。正直、私はそれからエアバックの作業が怖くなりました。

でもね、怖いから作業できないなんてありえませんから。どんな作業も「慣れてるから大丈夫」など考えず初心を忘れず作業をしています。

本題のエアバックを取り外します。当然、バッテリーの端子は外してからの作業です。

エアバックの裏にネジが隠れてるので外せばエアーバックが取り外せます。エアバックの配線も外し、次はハンドルを外しましょう。ハンドルの真ん中にボルトで取付けられてるのでボルトを外せばハンドルも外せます。



ハンドルを外す前にハンドルシャフトのカバーリングを外し配線も外します。

これでスリップリングが出てきます。スリップリングはハンドルの後ろにネジで取り付けられているのでネジを外し部品交換します。



↑ 左側、異音がでていたスリップリング  右側、新品のスリップリング

このスリップリングはクルクル回るので回す事無いように固定して取付け。

後は、ハンドルやエアバックを取り付けて完成。

次にシートレールのガイドブッシュの交換です。


シートレールを分解しシャフトを取り外し、レールとシャフトの取付け部品を外しましょう。


↑ シャフトの右側の四角い塊にあるガイドブッシュがバラバラです。


↑ 真ん中の四角い部分の左右に隙間があるの分かりますか?
  この隙間がシートのガタの原因です。
この四角い部品を取り外すのにシャフトをクルクル回して部品を外すのですが何も考えず外したら後で大変な事になるので考えて外しましょう。位置がずれたらいけません!

↑ 下のあるのがバラバラのガイドブッシュです。


↑ 綺麗にお掃除

↑ 新品のガイドブッシュ

↑ 新品のガイドブッシュを取付けます。


↑ 組み付けます。(隙間が無くなったでしょ)

部品が組めればシャフトへ組み付けします。


↑ ピッタリと入り隙間もなくなりました。
この作業を反対側もします。







↑ 反対側も隙間なく綺麗になりました。
シートレールに組み付けた後はシートをクルマへ取付けして完成。

次は作業はウォッシャー周りの交換。


ウォッシャータンクを外してポンプ、グロメット、パイプを交換。




↑ 左側、水漏れのポンプとグロメット 右側、新品のグロメット

今回のグロメットはストレーナー付きでした。

パワステタンクからのオイル漏れはタンクのOリング交換します。


↑ 左側、オイル漏れのOリング  右側、新品のOリング
最後にエンジンオイルの交換。

ドレンコックを外しオイルを抜きます。


オイルが抜ければドレンワッシャを交換し規定のトルクで締め付けます。

エンジンオイルも入れてレベルチャックもOK!

これで完成したのでバッテリー端子をつけてエンジン始動!

ハンドル周りの擦り音も直りました。

助手席シートの作動もOK!前後のガタもなくなりシッカリとしたシートになりました。

ウォッシャーの作動も問題なくOK!

テスターも接続しユニット内の診断し問題の無い事を確認。

これで今回の作業は完成となりました。

N様、いつも当店をご利用して頂き誠にありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

【今回の作業代】

¥82300-(税別)