私は400kmブルベが苦手です。スイマセン、オブラートに包んだ表現をしました、私は400kmブルベが嫌いです。なぜなら、夜通し走るため、私の脚ではまとまった仮眠を取ることができず、眠気と戦いながら走ることになるのがとてもつらいからです。また、過去に参加した400kmブルベでは高い確率で様々な事件が起こるのも理由のひとつです。DNF、野グ○(ゴメンナサイ、このときはとてもお腹の調子が悪く、トイレまでどうしても我慢できませんでした)、上りで押し歩き、居眠り落車、など。しかし、苦手だ嫌いだと言って敬遠ばかりしていても進歩がありませんし、苦手で嫌いだからこそトライして、成功体験を積み重ねることで苦手意識を克服したいと思うようになりました。けれど、これって諸刃の剣で、再びDNFなどをしようものなら、ますます苦手になってしまいそうです。というわけで、今年の400kmは過去に唯一DNFを喫した地球岬400でリベンジを果たそうと思っていたのですけれど、予定にはなかった積丹400に参加をしましたので、その様子を綴っていこうと思います。

 

先に言っておきます、DNFでした。

 

コースは、札幌市〜北広島市〜恵庭市〜千歳市〜苫小牧市〜白老町〜登別市〜壮瞥町〜真狩村〜倶知安町〜共和町〜岩内町〜泊村〜神恵内村〜積丹町〜古平町〜余市町〜小樽市〜札幌市を巡る404.9km。ポイントは、前半にそびえる獲得標高約1,000mのオロフレ峠。全体の獲得標高は、4,253mの山岳ブルベ。初めての山岳ブルベです。

 

前もって立てた作戦は、クローズギリギリいっぱい時間を使って、とにかく完走認定を目指すというもの。獲得標高100mにつき走行時間が10分余計にかかると言われていますので、オロフレ峠だけで約100分余計に時間がかかる計算です。つまり、オロフレ峠の頂上で借金生活になり、その後の下りとゴールまでの200kmあまりで借金を返すつもりでした。

 

いつもどおり札幌市内で前泊、4:00起床、4:30ごろチェックアウトして自動車でスタート地点へ移動、5:00ごろ、スタート地点へ到着。

 

今回は、約100kmの無補給区間がありますので、補給食を運搬するためのフレームインナーバッグを用意し、ようかん数個、ウインドブレーカー、ウインドベストを入れました。その他、サドルバッグには防寒用のレインジャケットと予備チューブ、トップチューブバッグには前照灯の予備バッテリー2個を入れました。前日に確認した予報では、ずっと曇りでしたので、レインパンツは置いていくことにしました。

 

ハンドル周りは、いつもどおり、ボントレガーtrip300(サイコン)、ガーミンエッジexplore2パワー、ガーミンetrex30x(日本語化済み)、簡易キューシート、ハンドルポーチ(コンデジ入り)です。簡易キューシートは長くなったので三つ折りにしてあります。

 

ハンドル前面にセットした“ブルベマウント”ことKCNC軽量アルミ製CNCサイクルコンピューターマウントエクステンションにはキャットアイボルト800を天地逆に2本セット(バッテリが切れそうになると電源ボタンが赤く点滅するのですけれど、天地逆にセットしているとそれが見えず、走行中に突然消灯します)。そして、ガーミンエッジexplore2の裏には、拡張バッテリーパックを装備。これって税込み26,800円と高額な割にバッテリ容量は3,000mAhくらいとかなり割高なのですけれど、防水機能が保持されるので、explore2とともに昨年思い切って導入してみました。

 

ぼちぼち参加者さんが集まってきました。その中に鉄夫さんを見かけましたので、ツイッターでフェンダーを紹介してくださったお礼と、使っていらっしゃるフェンダーのモデルを教えてもらおうと声をかけました。ツイッターでサイクルジャージ、特徴的なバイク、自動車を存じていましたので、普通に声をかけることができました。

私「ツイッターでフォローしてもらっているいもさくです。ツイッターではフェンダーのご提案ありがとうございました。(スマートフォンの画面を見せながら)フレッシュのときにつけていらっしゃったフェンダーってこれですか?」

鉄「そうです。しおさんも同じものを使っていますよ。」

私「そうですか。近くにサイクルショップがないので失敗覚悟でネット通販でリトライしてみようと思います。」

鉄「近くのショップは稚内ですか?」

私「それか旭川ですね。ありがとうございます。」

前から思っていましたけれど、スポーツ自転車に乗っている人(ブルベをやっている人)はいい人ばかりです。何の面識もない私にも気さくに対応してくださる鉄夫さんはいい人です。大事なことなのでもう一度言います、鉄夫さんはいい人です。

 

そうこうしていると、いつの間にか受付が始まっていましたので、権利放棄書に署名をしてブルベカードを受け取ります。ブルベカードの写真は撮り忘れました。エントリー36名、出走30名、だったかな。

 

5:43、ブリーフィングが始まります。大事な話があるとのことで、なにかと思ったら、ゴール間近の403.2km地点から403.6km地点までが道路工事で通行止めなので、大きく迂回するように、とのこと。ただし、制限時間に延長はありません、と付け加えられます。その他、オロフレ峠は霧が出るかもしれないので灯火を点灯するようにとか、通過チェックのクイズは難問なのでバス停の時刻表の写真を撮ればオッケーなど、いくつかの注意を受けました。

 

その後、車検を受けるために自転車のところへ戻ると、隣に見覚えのある赤いラレーのバイクを見かけましたので「pikaさんですか?」と声をかけたところ、pikaさんでした。「ツイッターとブログをやっているいもさくです。pikaさんのブログ、いつも見ています。」と名乗り、400kmは寝られないのがつらいですよね、などと言葉をかわしました。

前から思っていましたけれど、スポーツ自転車に乗っている人(ブルベをやっている人)はいい人ばかりです。何の面識もない私にも気さくに対応してくださるpikaさんはいい人です。大事なことなのでもう一度言います、pikaさんはいい人です。

 

しかし、「いもさくです」って名乗るのって、ものすごく恥ずかしいというかアホみたいです。もっとましなハンドルネームにすればよかったと後悔先に立たず。

 

5:53、車検を受け、行ってきますのツイートをし、GPSナビをオンにして、400kmの旅の始まりです。

 

いつも何かの不具合を起こすガーミンエッジexplore2が「スタート地点までナビしますか?」みたいなことを聞いてきましたので、お願いしたのですけれど、ナビ画面でスタート地点を過ぎても「コースを検知しました」みたいな表示がなかったので、おかしいなぁと思いながらも放っておいたら、サイコン画面でスタート地点からの走行距離が表示されておらず、加えて平均速度も表示されないまま走る羽目になっていたことを後々知ることになります。スタート地点からの走行距離はサイコンを見ればわかるので大きな不便は感じませんでしたし、平均速度はほぼ知る必要もないので、いいと言えばいいのですけれど、ミスコースを繰り返したりして、サイコンが表示する走行距離とキューシートの距離がどんどん離れていくことには少し不便を感じました。これまた後々知ることになるのですけれど、スタート地点を認識しなかったときは、すぐに停まって、ナビを一旦オフにし、オンにし直すと、そこから走行距離を計測し始めます。またひとつガーミンエッジの使い方がわかりました。

 

スタート直後は札幌市街地を走りますので、ちょくちょく信号に引っかかります。風はなく、前日の予報どおりの曇天。気温は19度ほどだったでしょうか、夏用半袖サイクルジャージ、アームカバー、指切りグローブ、ビブショーツ、レッグカバーの夏服が身軽で気持ちよく走れる季節になりました。

 

なんか大きな建物があるなぁと思ったら、丘珠空港でした。慌てて写真を撮ったら斜めでした。初めて目の前を通りました。その手前で「つどーむ」の横も通過しているのですけれど、まったく視界に入りませんでした。

 

6:51、15.3km、江別市に突入。小一時間走って15km、信号峠の怖さを知るのですけれど、ここで慌ててペースを上げてもいいことはないので、淡々とペダルを回します。

 

7:14、丘を越えて200のゴール地点、セイコーマートもみじ台店を通過。のんびりペースで集団走行を楽しみながら、丘を越えて200のコースを少しだけ逆走します。

 

7:57、36.8km、恵庭市に突入。相変わらずの曇天。暑くも寒くもなく、気持ちいい〜。

 

8:10、41.2km、PCじゃないセブンイレブン恵庭恵み野里美店でトイレ休憩と、どら焼きを補給。停車時間6分で出発。

 

たしか、この後、パンク修理で停車している参加者さんを見かけましたので、スピードを落として「大丈夫ですか?」と声をかけたところ「大丈夫です!」との返事でしたので、先を急ぐことにしました。後から思えば声のかけ方を失敗したなと。私を含め、ほとんどの人は「大丈夫ですか?」と聞かれたら「大丈夫です!」と答えてしまうものです。ベストとは言えないまでもベターな声のかけ方は「手助けが必要ですか?」でしょうか。それでも「必要です!」と答えるには相当の胆力が必要な気がしますけれど。ブルベでは参加者同士の手助けは認められていますので、どうしても誰かの手助けが必要なときは「助けてください!」と言いたいものですし、言ってもらいたいと思うものです。情けは人の為ならずですし、困ったときはお互い様です。タイムアウトDNFした私が言うのもアレですけれど・・・。

 

8:21、42.6km、道と川の駅花ロードえにわ前を通過。PC1まではコース沿いにたくさんのコンビニと道の駅があり、何かと便利です。

 

8:32、日が差してきました。予報ではずっと曇りでしたので、晴れると少し嬉しくなります。この後、オロフレ峠くらいまではときどき日が差していたような気がします。

 

北海道弁で言うと、とうきびがおがっています。

標準語で言うと、とうもろこしが育っています。

 

千歳市街地に入ると、ブロンプトンとロードバイクのお二人さんに追いつきました。そっとツキ位置を満喫させてもらっていたところ、信号待ちで停まったときに、先頭のブロンプトンさんが振り返り「私たちは遅いので、どうぞ先に行ってください。」と声をかけられました。いやいや、何をおっしゃいますか、私よりも先行している方が私よりも遅いということはありませんよ。

 

8:57、53.8km、JR千歳駅を通過。その後もツキ位置を満喫させてもらっていたのですけれど、ブロンプトンさんだけに牽引をしてもらうことに気が引けてきたというか、なんか違うんじゃないかという気持ちが芽生えてきました。集団走行をすることになったのも何かの縁ですし、せめて先頭交代くらいしてもいいんじゃないか、と。そんなこんなで、丁字路で進路変更するタイミングで先頭に出るとともに「先頭代わります、遅いと思ったら抜いてください」と声をかけました。単なる自己満足と言えばそれまでなのですけれど、後ろを振り返ることなく、自分なりのペースでペダルを回しました。程なく信号待ちでお二人さんが追いつき、「我々はウトナイで休憩するので、どうぞ先に行ってください」とのこと。う〜ん、余計なお世話だったでしょうか。

 

9:17、国道36号を苫小牧へ向けて進みます。曇り空ですけれど、ずいぶん気温が上がった気がします。

 

9:47、71.0km、道の駅ウトナイ湖を通過。先ほどのお二人は、ここで休憩でしょうか。私は苫小牧市街地のコンビニで休憩するつもりでしたので、先を急ぎました。

 

苫小牧市街地に入り、まあまあ信号に引っかかりながら、10:28、82.9km、PCじゃないローソン苫小牧北光町店で休憩。

 

ツイッターで参加者さんの進度を確認しながら休憩し、停車時間16分で出発。

 

その後もちょいちょい信号に引っかかり、思うように上がらないペースに焦りを感じます。とはいえ、上りと向かい風と信号峠には逆らってもどうしようもないので、郊外のペースを上げられるところで貯金するしかないです。

 

11:22、94.8km、国道235号に戻ったところで、太平洋とご対面。

 

中編に続きます。