新しいweb3.0のゲームの税務について
-具体的な取引と仕訳のまとめ-
新しいweb3.0のゲームの税務について、読者の方から複数の質問をいただいています。
「新しいweb3.0の構造やゲームの具体的内容を理解している税理士は皆無なので、どこに相談して良いかわからない」、「具体的な取引と仕訳の説明を探しても、どこにも載っていない」という切実な内容です。
ステップンのように走って歩いて稼ぐ(move to earn, run to earn)のみならず、寝ている間に稼ぐ(sleep to earn)のような新しい形態の新しいweb3.0のゲームが次々に生まれています。
その一方で、歩いたり眠ったりすることが、なぜ、価値を生むのか、仕組みそのものに欠陥があるのではないかという根本的な疑問も提示されています。
健康データの提供と紹介により暗号資産(仮想通貨)を取得できるというweb3.0のゲームには分類されないような画期的なものも生まれつつあるようです。
ステップンと「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」問8(12頁)に記述されているゲーム内通貨(トークン)の取扱いは新しいweb3.0のゲームやゲームには分類されないような画期的なものの税務にも応用できると私は考えています。
新しいweb3.0のゲームの税務についての具体的な取引と仕訳をまとめておきます。
基本的には、期末の損益、ゲームへの入金、ゲームからの出金の3つの仕訳をおさえれば大丈夫でしょう。
<+⑵年末の暗号資産とアートNFTの時価総額>
【仕訳】(借方)暗号資産・NFT ×××
(貸方)暗号資産・NFT損益 ×××
「+⑵年末の暗号資産とアートNFTの時価総額」 と「-⑴年初の暗号資産とアートNFTの時価総額」 の差額を暗号資産・NFT損益として年末、期末に計上します。
<-⑴年初の暗号資産とアートNFTの時価総額>
【仕訳】仕訳なし
「-⑴年初の暗号資産とアートNFTの時価総額」を計算します。暗号資産とアートNFTの時価が分からない場合は取得価額を、取得価額も不明な場合はゼロで計算します。
暗号資産(仮想通貨)の計算全般に簡便法を使う場合は、年末の時価ではなく取得価額を使うことに留意します。重ねて十分な検討を重ねることを要望しておきます。
<−⑶日本円の入金金額>投資額(費用)
令和◯年中に日本円を換算してブロックチェーンゲームに投入した金額をを暗号資産・NFT譲渡損として差し引きます。
【仕訳】(借方)暗号資産・NFT譲渡損 ×××
(貸方)現金 ×××
<+⑷日本円の出金金額>出金額(売上) 令和◯年中に日本円、ドル等を換算してブロックチェーンゲームから出金した金額を暗号資産・NFT譲渡益に加算します。
【仕訳】(借方)現金 ×××
(貸方)暗号資産・NFT譲渡益×××
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ステップンと「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」問8(12頁)に記述されているゲーム内通貨(トークン)の取扱いについては次のブログとYoutubeを参照してください。