8回目の抗がん剤治療のために 入院したママ
12月は1回しか治療ができなかったからなのか、腹水が少し溜まってきた感じが年明けから感じられる。
ストマの部位も小さな山のように膨らんでいて、分からないことが不安なので、今回の入院はストマ専門の看護師さんとの面談をお願いした。
半月に1度の入院治療なので、勝手が分かってきて要領よく動いて、病室までたどり着くようになった。
5階の病棟につくと、ナースステーションでみんなが笑顔で出迎えてくれたのが、うれしかった。
「お正月を無事に過ごせてよかったですね〜、次の目標を決めてまた張り切って治療しましょうね」
お正月が迎えることができたこと
家族で過ごせたこと
本当にうれしそうだった。
ママが望むことはどんな事でも叶えてあげたいと思う。
「あのね、ママ」
以前ママは、自分の病気が家族みんなの生活の邪魔してる。お荷物になってるって話していた。それについてずっとモヤモヤしていた。
そしてわかった!
「あたしは、自分の子どもたちに同じ思いをさせたくないから健康でいたいと思うんだ」
そう、こんなに寂しくて悲しい思いはさせたくない
介護が迷惑だなことなんてひとつも感じない。
それよりも、病気になってしまったママに何もしてあげられないことがつらい。助けてあげることが出来ない。
それが一番辛いこと。
だから、子どもたちに「何もしてあげることが出来ない」とか「助けてあげたいのに救えない」とかって言う感情を持たせなくて済むように元気なおばぁちゃんになりたい。
病気もしっかり向き合って、自分の身体を大切にしたい。それが、子どもたちの幸せにつながるはず。
少なくともあたしや妹が感じてる感情は持たなくていい
助けたい人を助けられないことは、どんなことよりもつらい。
でも、泣かないって決めたから!
5階のデイルームから駐車場にいるあたしに思い切りよく手を振るママに、とびっきりの笑顔で応える。
1人にさせてごめん!
週明けに迎えに来るからね。
帰ってきたら美味しいおしるこを作ってね
fin