33年前から父との闘病が始まっていた
まだ20代前半のあたしには荷が重いものだったけど、今のあたしよりも若いパパは今日までずっと辛かったんだろうって思う
「おねぇに生かされてるわよね。この娘がいなかったらとっくに死んでいたんじゃないかしら」
いつもママはパパにそういう(笑)
そうかなぁ〜
胃がんで胃の全摘をしパパにどう説明しようかと家族で悩んだあの時
大動脈弁閉鎖不全および狭窄で大きな手術も経験した
その後大腸がん、大動脈弁置換手術、食道がん…よく頑張ったなぁ
昨年心不全を起こして、今年は誤嚥性肺炎
これを全部覚えておくのは本当に大変
自分の病歴なんて覚える脳がない

いま…
ママが大腸がんから、多臓器転移
身体も心も壊れてしまいそうだ
パパもママも一緒に働いていたからたくさんの友だちがあたしの両親を知ってる
みんなのパパとママみたいだ
友だちはそんなに多くないから
中学生時代と高校時代にそれぞれひとりずつしかいない
もともと友だちの定義がよくわかってないから
どの程度がそう呼んでいいのか
5年前に銀婚式のパーティーを子どもたちが開いてくれて
ふたりは招待されていた
司会者は中学生時代の友だちを幼なじみと紹介して
ふたりで顔見合わせて笑った
「幼なじみだったんだね、あたしたち
」

高校時代の友だちもそうだけど
どうしてあの頃からずっとそばにいるんだろう
一緒に出かけたことも
食事に行ったことも
飲みに行ったこともない
だけどいつもそこにいてくれていた
いなくならない存在
それがきっとあたしの友だちの定義かも
まるッと受け止めてくれる人があたしにはいる
彼女たちふたりと
もうひとり…
背中をそっと支えてくる存在に
今日も涙があふれてくる
ありがとう
いてくれて…ありがとう
なぜかくるといつも何かを持ってくる高校時代の友だち
今日はこのお花とカステラと、それからおかき(笑)
なぜ??
そーいえば
子宮筋腫の手術が終わって
横須賀からみなとみらいにある病院に来てくれた時
うれしかったなぁ
翌日
ソーイングセットとフエルト生地を持ってひょっこりやってきた
一緒に見た雑誌に掲載されていた赤ちゃんのブーティを「可愛いね」って話したことを覚えていて
これがあれば入院中に作れるねって…
ふたりとひとり
それぞれ違う形で背中を支えてくれる
かけがえのない大切な人
fin