母の故郷は山形。
庄内平野が広がる場所に実家はある。
2階の窓を開けると、そこには鳥海山がそびえたつ。
幼いころから、この山が大好きだった。
緑の田畑の向こうに大きく見える鳥海山。
出羽富士との呼び名があるとかないとか…
12月
雪が降ってるであろうとおもった母の故郷は、風が冷たいけど雪はまだ降っていなかった。
ありがたい。
日帰りなので軽装でやってきたあたしには、この陽気は助かる。
そろそろちゃんと喪服をそろえるべきだ。
この先は増えていくのはブライダルよりも葬儀だろう。
いつも季節でも対応できるようにしておかないと。
何年ぶりでいった山形は、懐かしい香りがしたけど…どことなく違う場所のような気がした。
幼いころは知らないことがあってもそれでよかった。
大人になって、知らなくていいことも耳に入ってくるようになった。
聞かなくてよかった話
聞きたくなかった話
大人になってできることも増えた。
誰も住んでいない母の実家。
ご先祖の仏様…
どうしたらいいのか。
何が正しいのか。
自分の心に問う。
きっと正解なんてどこにもないんだろうな。