泣かないたぁくんが、目をうるませていた
それでも決して涙をこぼさなかった
唇をかみしめて、笑顔でわらう
そんな笑顔にちゃんと答えてあげることができていますか…と自分へ問う
MRIの結果は最高にいいものではなかった。
外れている骨の1/3くらいは、活動的に生きていないように見えた
手術をして、100%で融合するとは言えない状態だった
それでも年齢的に除去することを選択することは好ましくないようだ
決断を迫られてもどうすることが一番なのかなんてわからない
今は…
たぁくんの笑顔が本物になることを望んでいる
「先生、骨をくっつけてください」
そう言って先生に頼んでいるたぁくんに驚いた
数回前の受診では、一番早い復帰をできることしか考えていなかったのに、今日の外来までの間にたぁくんは一人で考えていたんだね
復帰まで早くて3カ月
8年間運動をしてきた子が3ヶ月間しなかった場合、筋力は落ちるだろうし体力の事も心配なはず
でもたぁくんは…成長していた
ずっとサッカーがしたい
そんな思いだけで選んだ移植手術
かかとの骨を移植することは足に傷を2か所もつということ
「先生、アタシの骨を少し分けることはできないんですか?」
「今の日本では無理です。外国ではあることなんですが、倫理上の問題が発生します」
そか…倫理…か
仕方ないよね。ここは日本だもの。
うまく融合しますように
そして また元気にサッカーができますように
この先 たぁくんの支えになって行ける強い母でいたいと思う