(続き)
とりあえず興奮冷めやらぬ洞窟を抜け、いったん休憩。
場所を変えることに。
ついでに昼食。
移動だー。
一旦山を下りる。
…
……
………。
移動して昼食。
休憩して次の部を始めよう。
山を往く。
コツゥーーーン。
カツゥーーーン。
耳を澄ますと遠くで硬いものを叩く音が響く。
「やってるね。」
やっとるね。
リーダーと顔を見合わせてうなずく。
誰かが石を叩く音ではなかろうか?
とりあえず少し雨も降るけど、採集もしたい。
音のする方へ歩いていく。
いる。
誰だろう?
見覚えがある風貌。
「こんにちはー。天気が悪いのに精が出ますね。」
おや?こんなところで、奇遇ですな。
『よくも置いていきやがったなぁ…。』
…お仲間だ。
多分リーダーとのぼんやりしたLINEのやり取りを見てここにあたりをつけたんだな。
とはいえ、長靴もライトもない状態では入れまい。
そもそもそういう準備を持っていないでしょ、あなた。
そして、微妙に行きたくないみたいなこと言ってたがな。
…なので置いて行かれた…ということだろう。
リーダーが採ってきた水晶を満面の笑みで見せる。
『なんで?自分行ってない(´;ω;`)。』
彼はいつもこのパターン( ´艸`)。
肝心なところでいないとか、別のことをしている。
多分こういう経験の差が響いてくると思うんだよなぁ。
「長靴がないならないで、サンダルで突っ込んできたら?場所は教えれるけど。」
『ライトもないけど、いける?』
むしろ行けると思えるんかね…怪我したら破傷風とかなりそう、あと行方不明になっても知らんよ。
「新型コロナ禍の中、鉱物採集者、意味の分からない病気で病床を圧迫。」
無謀!鉱物採集者、軽装で洞窟に侵入、行方不明に!捜索隊結成。
「…最低やね。」
まぁ、仕事のほうは重い懲戒、産地は立ち入り禁止やろね。
『ダメじゃん。』
「ダメに決まってるじゃん(# ゚Д゚)。」
そのくらいの危機管理、頭使いなさいよ(# ゚Д゚)。
『むぅ…。』
「…でも、探索不十分だからまた入りたいな。」
安全第一だけどな、装備も見直し。
「じゃぁかいちょさんと自分でまた。」
『…行くよ。』
「え?」
『準備…するから!』
最低限安全確保できそうな準備とかしてくれないと、一緒にはいかんよ。
『買う。買うがな(´;ω;`)。』
危ないことを絶対しないように、報告!連絡!相談!
「ふーん(* ̄- ̄)。」
…リーダー、行く前には同行者にはちゃんと互いに行き先を確認していこうな。
「んー( ´艸`)?」
喝っ(# ゚Д゚)!
「連絡手段も絶たれるからどうしようかね。」
電波入らないもんなぁ。
「…。」
トランシーバーやインカムかー、地下用は免許いるかも。
「うーん。」
装備が本格的になっていくなぁ( ̄▽ ̄;)。
そんなハートフルなやりとりをしつつ、あとはまったりそのあたりを散策。
煙水晶欲しい(* ̄0 ̄)/ 。
石英が落ちているのをにやにや眺める。
どこにしようかなぁ。
すんげぇ荒らされてる。
もともとスギの落ち葉のじゅうたんみたいなところ。
リーダー談。
「年末来たときはあんまり荒らされて時間たってなかったけど、すごかった。」
「人の力で短時間では無理じゃない?っていうくらい掘り返されてた。」
「重機マン出現( ´艸`)。」
ほーん。
まぁ、重機マンの跡が一回掘り起こされてるからいいかも。
じゃぁその辺の荒らされたとk…おぉぉぉぉぉ。
ズゾゾゾゾ!
写真を撮影しようとしたら地面が滑った。
足を踏み外しながら撮影した臨場感のある奇跡の一枚をどうぞ( ̄▽ ̄;)。
掘り返されたズリは大変崩れやすくなっております。
事故には十分ご注意ください( ̄▽ ̄;)。
気を取り直して下を見る。
わかりにくいけど、「輝水鉛鉱」の剥離片。
親指の先くらい。
ラッキー。
本当は塊が欲しい。
もりもりモリブデンも探索。
べったり輝水鉛鉱。
写真ではいまいちだけど、キラキラ光る。
青っぽい銀色っていえばいいのかな。
イメージとしてはまさに水が輝くようなテカリを持った鉛みたいな軟らかい金属。
きれいなんよね。
持って帰って瓶詰めにしよう。
どうせ洗浄するときに粉々バラバラになるけど。
表面採集、少し掘る、戻すの繰り返し。
せっせと集める。
なんやかんやで片手半分くらい。
今日は、まあこのくらいにしといたろか。
煙水晶?
いいのは無かったョ(´;ω;`)。
今日も水晶採集は惨敗。
はぁー。
泣きたくなる。
リーダーにやられた。
もともといつか行きたいなぁって誘った本人が収穫なしとは(´;ω;`)。
「さ、キノコでも見て帰ろうぜ♪」
わかったよ、行こう。
(続く)