第11回 萩・菊ヶ浜アイアンマンレース 頭クラクラの巻 | たつにいさんのブログ

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マラソン、トレイルランニング、ツーリング、エンデューロレース

今年は人生初挑戦のレースが多い。
先日の「阿蘇カルデラスーパーマラソン」に引き続き、とうとう「アクアスロン」に挑戦だ。
この「萩・菊ヶ浜アイアンマンレース」は、2kmスイム、15kmランの「A競技」と1kmスイム、5kmランの「B競技」がある。(リレー方式と言うのもあり、2人の選手がスイムとランに分かれて行うのだ。)
他にも「ジュニア競技」(スイム200m、ラン200m)がある。
わたくしは、今回無謀?にも「A競技」に参戦。
2km泳いで、15km走るのだ。
無謀と言うには、訳がある。
生まれてこの方「2km」と言う距離を海で泳いだ事が無い。
しかも、前回の100kmマラソンの痛手も、十分に完治していないので、ランのトレーニングも「全く」と言って良い程行っていない。
さて、どうなる事やら・・・。

我が町から「萩・菊ヶ浜アイアンマンレース」の開催地までおよそ100km。
「100km」と言う距離に、非常に親近感と魅力を感じる。
気分的には、走って行きたい感もあるが、そんなバカな事をしてはレースの完走もままならない。
自家用のトランポで行く事にした。
午前中にヤボ用を済ませ、午後15時頃自宅を出発。
午後17時過ぎには、萩に到着してしまった。
現場である「菊ヶ浜」を視察。
会場の準備は、殆ど終わっている様だった。
現場が解れば、後は怖いものは無い。
翌日寝坊さえしなければ、余裕で眠れる。
今夜の宿は、会場に隣接する無料の駐車場だ。
特に何もする事が無いので、萩市内をトランポでウロウロする。
愛妻が「ナフコに行きたい。」と言う。
特に反対する意見もないし、用事も無いので車内満場一致で「ナフコ」に行く事にした。
最初は珍しいモノが多いので、長女は、家具売り場で遊んでいたが、10分もしないうちに飽きたらしい。
そこで1階に場を移す。
そこには、色とりどりの熱帯魚や金魚が売られていて、彼女はその熱帯魚に魅入られてしまった。
その場を離れたがらない彼女を、いささか強引に水槽の前から引き離し、夕食に出掛ける事にした。
萩市内を車でウロウロするが、いまいち「コレッ!」と言うお店が無い。
そして行き着く店は「ジョイフル」
わたくしは「マグロ丼」(ご飯大盛り)とチキンサラダ。
愛娘は「ジョイフルバーガー」と言うメニューに食後に氷イチゴ。
この氷イチゴは見た目にも、大変量が多い。
とても3歳児一人で食べられるシロモノではない。
その後、明日の朝食を買う為に、市内のセブンイレブンに向かった。
やはり持久系のレースでは、糖質が必要なので、わたくしはおにぎりを4個買う。
今夜の宿である、会場に隣接する無料の駐車場に向かう。
トランポ内で、テレビを見ながら過ごす。
午後23時頃就寝。

 

午前6時に起床。
夜中は、蒸し暑くて何度か目を覚ましたが、睡眠時間は十分と思う。
やや重い足取りで、海岸まで散歩。
その後、昨晩買い求めたおにぎりのカーボ朝食。
あまり食欲が無い。
無理矢理3個胃に流し込む。
開会式の後、UPを行う。
気温が高いので、直ぐに汗が流れる。
ストレッチを軽く行い、シューズとウエア類をトランジショッン・エリア(~~町内会と書かれたテントにブルーシートが敷いてある場所。)
ウエットスーツを着用し、海へ入る。
ウエットスーツを着るのも、ましてやそのスーツを着て泳ぐのも生まれて初めて。
そんな生まれて初めてなのに、いきなり2kmも泳いで、その後15kmも走るアクアスロンに参戦するのだから、我ながら頭の悪さに感心するばかりである。
しかしながら、ウエットスーツを着て泳ぐのは、かなり有利だ。
その浮力に感心する事然り。
「おっ!これなら行けるかもしれない!」と思わせられる程のパフォーマンスなのだ。
わたくしの参戦する「A競技」のスタート時間は、午前10時30分だったが、先にスタートした「「B競技」の選手が怪我で担架で運ばれる。」と言うアクシデントが原因?で10分遅れてのスタートとなった。
スタートは、カウントダウンで、始まった。
「0」の合図と共に、49名のアイアンマンと、アイアンウーマンが菊ヶ浜の海に飛び込んだ。
泳ぎ始めは各選手共かなりのハイペースだ。
わたくしは「極力遅れない様に。」と思いながら、周辺の選手に着いて行くが、約200mも泳がない内に、鼻と口内に入った海水で苦しくなり、オマケにUPが十分で無かったのか、腕も重く感じて来た。
「しまったー!こんな事ならB競技に出るんだったー!絶対2kmも持ちそうに無い。どうしよう!」と水面から顔を出しながら遠くに見える海岸を見て思った。
先程の「行けるかもしれない!」と感じた気持ちは、空の彼方へ吹っ飛んでしまった。
しかし、後悔しても仕方無い。
こうなれば行けるところまで行くしかない。
「ドベでも良い。最後まで泳ごう。」と気持ちを切り替え、2プルで一呼吸、、2プルで一呼吸のペースで泳ぎ続けた。
2kmは、500m先の沖まで泳ぎ、500先の海岸までUターン。
一度海岸に上陸し、再度500mの往復の合計2kmなのだ。
海中は梅雨時期にも関わらず、晴天続きの為、かなりの透明度だ。
海底に揺れる海草が良く見える。
海岸近くになったので、足を着こうとしたのだが、全くつま先が届かない。
思わず溺れそうになり、海水をゴクリと飲んでしまった。
この海水摂取で、次のランで対外に、汗と共に消耗される塩分とミネラルは確保出来た。(笑)
1kmを泳いだ時点で、かなりの体力を吸い取られている。
いくらウエットスーツの浮力を借りているとは言え、連続で1km泳いだのは生まれて初めて。
海岸のエイドに用意されている水で、塩辛くなってしまった口の中を濯いで、再度海へ飛び込む。
もう進むしか後が無いのだ。
最初は密集していた選手達も、次第にバラけ、わたくしは殆ど一人で泳ぐ形になってしまった。
時々水面から顔を出し、前を泳ぐ選手を確認しながら泳ぐ。
海は当たり前だが、プールの様に海底には、ラインが書いていない。
時々顔を上げながら軌道修正しながら泳ぐ。
なんとか2kmを無事に泳ぎきり、懐かしい菊ヶ浜の海岸に辿り着く。
いっぱしのトライアスリートの様に、ウエットスーツを脱ぎながら小走りで上陸。
水際から約7~8mの所に設置された、シャワーを浴びてトランジッション・エリアへ。
スパッツは、予めウエットスーツの下に着込んでいたので、人様に祖チンを見られずに済んだ。
ランジャージを着て、座り込んでシューズを履いている最中に、頭がクラクラし始めた。
「ウワー!頭がクラクラするなー。」と言うと、隣で着替えていた選手も「ホント。頭がクラクラしますね!」と話し掛けて来た。
泳いだばかりなので、通常では問題なく供給される酸素が、おそらく脳に十分な酸素が行き渡らなかったかったのだろう。
脳は、体の重量の2%にも満たないのに、酸素の消費量は、全体の20%にも及ぶらしいのだ。(ちなみにわたくしは、酸素欠乏作業主任)
足に付着した砂を取り、素足でシューズを履く。
一応、ランニングソックスを用意しておいたのだが、面倒くさいので素足でシューズを履いた。(このちょっとの手間を、横着した為、後々悲劇を呼ぶ事になろうとは、この時想像もしなかった。)
ランは15km。
菊ヶ浜の砂地を含めた海岸線5kmのコースを3周周回する。
萩と言えば「城下町」昨年の「萩城下町ハーフマラソン」でもこの海岸線を走り、指月城内を走った。
今回もこの城内をクルクルと走るコースだった。
城内に関わらず、ランのコースでは、たくさんのボランティアの方々が、選手の安全確保の為と、周回チェックをしている。(ちなみにボランティアスタッフは総勢180名!)
所々では「がんばってー!」と声援を送ってくれる。
「おおー!がんばるぞー!」と答える。
中でも特に若い女性が、名指しで応援してくれるのが嬉しい。
日頃生活している時に「~~さーん!がんばってー!」と言われる事はまず無いだろう。
しかし、往復の際、砂浜を200m程度走るのだが、なかなかツライ。
しかも、シューズ内に砂がたくさん進入してくる。
わたくしのシューズは、アッパー部が全てメッシュになっている。
おまけに靴底にも、通気の為の穴が開いているのだから、更に過剰な砂が入ってくる。
シューズ内は、ジャリジャリ状態。
それでも走らなければレースは終わらない。
2周目を周回した所で、臀部が引き攣り始めた。
それでも走らなければレースは終わらない。
後方からえらくデカイ声が聞こえる。
「ゼッケン5番」の男が「ファイト!」と言いながら走っている。
「変なヤツだなー?」と思っていると、ジワジワと背後から迫ってきて、ついに抜かれてしまった。
しかし、抜かれた分は他の選手を何人か抜いたので順位は上がっているだろう。
周回をすると、チェックポイントで腕に付ける輪ゴムを貰える。
1周5kmだから、3個の輪ゴムを貰えればゴールとなる訳だ。
気温は結構高いが、コースの所々で水浴びをさせてくれるので、熱中症になる心配は無い。
氷水もスポーツドリンクも用意されているので、補給も必要にして十分だ。
3周を周回し、ゴールが近づいて来た。
スタートしてスイムでは「しまったー!」と思い、今回のレースに参加した事を後悔したが、今はそんな気持ちは何処か空の彼方に吹っ飛んでしまい、終わってしまうのが何だか寂しい気持ちになってしまった。
ゴール前には、選手の氏名やゼッケンナンバーがアナウンスされる。
ボランティアや選手の応援の人達が、拍手で迎えてくれる。
この瞬間は何度味わっても嬉しいし、気持ちが良い。
感動をまた味わえる様に、トレーニングに励もう。

 

第11回 萩・菊ヶ浜アイアンマンレース結果
「A競技(スイム2km、ラン15km)」で参加。
タイム:1時間58分03秒(スイム40分56秒 ラン1時間11分0秒)
A競技参加人数:49人
A競技:18位完走
大会総参加人数:123人
参加費:5,000円
参加賞:帽子
食事:フグ鍋、仕出し弁当
開催日:2005年6月26日