箱根と深海魚の旅part45
~有馬玩具博物館にgo!1~
旅行5日目最終日、午前8時半。
道の駅「パレットピアおおの」を出発。
本日唯一の観光をしに、神戸市の「有馬玩具博物館」に向かう。
距離およそ190㎞、休憩なしでおよそ2時間半。
どでかい建築中の建物(新しい病院らしい)を横目に見つつ、まずは東海環状自動車道へ。
昨晩はぜんっぜん車通りのない寂しい道だったんだが、さすがに朝は通勤とかの車が走ってるみたいだ。
名神に乗って、一路西へ。
吹田を過ぎた辺りで故障車渋滞に捕まり、しばらくノロノロ運転が続いたが、アクシデントはまあそのくらい。
11時前になって、そろそろ小腹が空いてきたこともあって、西宮名塩SAに寄って、タコ焼きを買う。
安定のうまさ。
近頃ちょ~っと癖になりつつある感じもするなぁ。
西宮名塩SA
旅読んちではおなじみのSA
たこばやしのタコ焼き
それなりの値段がするが
うまいものはうまい
…しばらく走って西宮山口東ICで高速を降りたら、目的地のある有馬温泉まではものの数分。
ただ。
六甲山地の谷あいにある街だけに、街中の道はだいたいが坂道で幅も狭い。
当然広くゆったりした駐車場の場所もとれない。
おまけに。
大阪神戸からほど近い観光地であるため、外国人日本人取り混ぜて観光客もかなりだ。
今日は月曜日なんだが、それでも多い。
狭い道の両側を観光客が歩き、タクシーやバスが走り、その間を縫って進む。
案の定ちょっと道に迷ったあげく、池之坊有料駐車場なんてところに停める。
…やれやれ。
駐車場にて激写
ももた(うちのヨーキー)も
ちょっとシンドそうな顔つき
両側に料理屋、カフェ、土産物屋が立ち並ぶなか。
坂道をほかの観光客とともに下って行く。
100mちょい歩くと目的地。
途中足湯とかもあったんだが、ちょうど中華系らしき人たちの団体が占拠してるみたいな状況で。
他の人たちがちと入りにくいような感じになっていたんだが。
これは別に誰がマナー違反してるってわけでもないしなぁ。
「温泉地に来たんだから、酒まんじゅうぐらい買っとくべきじゃね」とかいう、ヘンな理屈で酒まんじゅうを買い。
写真を撮ったあと。
「有馬玩具博物館」に突入!!!!
入館料は800円で、以前はJAF割をやってたんだが、今はやってないみたいだ。
おもちゃにさして興味のない人からしたら割高に感じてしまう値段かもしれない。
和菓子工房「ありま」さん
酒まんじゅう買いました
人の流れが切れたところで
すかさずスナップ写真をパシャッ
ここが有馬玩具博物館
6階建てのビルになっている
古旅館をリニューアルしたものだ
当館の「理念」のようなもの
まあこんな博物館は貴重なんで
これからも続けていってほしい
ここの開館は2003年。
初代館長は「グリコのおまけ」で知られる加藤裕三さん(もちろんおまけデザイナーはほかにもおられます)で、世代を超えて有馬温泉に親しんでもらう手がかりとしておもちゃを取り上げ、おもちゃを通じた地域振興を提唱し。
これに賛同した方たちの協力によって、この博物館が出来たんだそうだ。
展示は3~6階で、一番上の6階から下に下に見学していくようになっている。
ということでまずは6階から。
6階はドイツ・エルツ地方の伝統的なおもちゃのあれやこれやが展示されている。
旧東ドイツの片田舎ザイフェン
おもちゃの村としてつとに有名
ザイフェンはもともとは鉱山の街で、副業的にガラス細工なんかを作っていたところ。
それが17世紀ごろから鉱業が斜陽となり、必然的にそれに代わる産業が求められ。
…結局たどり着いたのが、おもちゃ作りだったようだ。
材料は近くに豊富にある木材。
製作のために必要なろくろ(ライフェンドレーン)の動力は、それまで鉱石を砕くために使っていた水車が利用されたらしい。
使えるもんは何でも利用せんとなぁ。
で、現在は工房が村内で150余りあるそうなんだが、どこも家族単位ぐらいの規模のちっさな工房であるようだ。
その理由は旧東ドイツが社会主義国だったため。
従業員が10名を超えると、工場だとみなされて「国営」ってことにされてしまうので、どの工房もあえて規模を拡大せずにいたことから。
…まあその名残りが今も続いているってことなんだろう。
見にくくてスマソ
ヴォルフガング・ヴェルナー工房作
振子のおもりを揺らすと
動物の頭と尻尾が動く
これも上記工房の作品
やじろべえのおもちゃ
ゆりかご、シーソー、ピエロなど
のこぎり男のアイデアは秀逸
ヴァルター・ヴェルナー工房作
さまざまな職業の人々などなど
すごく精巧な作りで
小物なんかもばっちり
クリスチャン・ヴェルナー工房作
ノアの箱舟セットらしい
これはかなり欲しい
たぶん手が出ないと思うが
ヴェント&キューン工房作
オルゴールや単体のお人形
人形の顔がどれもかわいい
ウベ・ウーリッヒ工房作
まるでドールハウスの一室だ
おもちゃ工房らしき部屋もある
小さすぎて分からんと思うが
たぶん同じ工房の作
小さいがどれも精巧に出来てる
上段の楽器を演奏してるやつ
団体で欲しい!!
なぜ、こういった「ミニチュア」がつくられるようになったか??
…には、ちゃんとしたわけがあり。
ひとつには材料となる木材を無駄にしないため、だったのだが。
主に外貨獲得のために輸出されることが多かったこれらの製品には。
重量によって課される関税がかなり異なっていたことが大きく影響し。
1個1個の製品の重量を軽くしようとする、生産者側の努力の結果として自然に生まれて来たものらしいのだ。
最初からミニチュアを作ろうとして出来たものじゃないってところが泣ける。
要は当時のザイフェンの村人たちの生活が苦しかったってことに集約されるんだろうなぁ。
…で、ミニチュア化の最たるものがこちら。
グンター・フラート工房作
マッチ箱のミニチュアシリーズ
それぞれ一部屋、一場面になってる
現地で買うと5千円くらいらしい
マッチ箱に収めるってのは、なかなかのアイデアだと思う。
軽いし、製品を輸送しようってときにも何かと便利。
煙出し人形いろいろ
たぶんドレゲノ(協同組合)作品
口をぽかんと開けてるのが
なんだかとてもユーモラス
エミール・ヘルビッヒ工房作
童話の1シーンが表現されている
様式化された木がかっこいい
ヴォルフガング・ヴェルナー工房作
でっかい手回しメリーゴーランド
ここの博物館の開館を祝って
贈られたものらしい
…以上、旅読セレクトでドイツの伝統的おもちゃを紹介して来たんだが。
たいていの人が「すっごぉ~い」と思うであろうクリスマス飾りだとか、皆さんご存知のクルミ割り人形なんかは一切紹介していないんで。
どうしても気になる向きは直接行って、しかとご覧くださいませませ。
今日はここまで。
次回のうPは今回の続きです。
有馬玩具博物館編が続きます。