印刷技術 ユポ UVの注意点 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

そろそろ、各地で、選挙が行われる季節ですかねぇ~。選挙と言えば、

ユポのポスターですよね。何度か、このブログでも書いて来たんですが、

今まで油性の印刷機を使って来て、初めて高感度UV機を導入したって言う

方が、高感度UV機で初めてユポの選挙ポスターを刷るってケースも有ろう

かと思います。そんな場合に気を付けなければ成らない事が有ります。

 

油性機で、ユポの選挙ポスターを刷るのであれば、こりゃ迷わず選ぶのが、

「スーパーユポ」ってヤツですよね。普通のユポを刷る場合にはユポ専用の

インキを使わなければアカンのですが、スーパーユポは普通紙用のインキ

で刷る事が出来ますもんね。ただし、このスーパーユポは片面刷り専用の

ユポですから、裏面に刷ってはアカンですね。

 

油性機でポスター刷るなら絶対にスーパーユポ!って言う固定観念が有って、

高感度UV機に変わっても、ユーパーユポを購入して準備してしまった~って、

これ、実はアカンのです。ユポコーポレーションさんのホームページで調べて

頂ければ分かるんですが、スーパーユポはね、UV印刷、NGなんですよ。

 

なんでNGかって言うと、「エッジピック」が発生してしまうんです。エッジピック

って言うのは、文字やベタ絵柄の咬尻に、ピッキング(インキのムシレ)が出て

しまうって言うトラブルです。これが出てしまうとクレームの対象に成ります。

 

油性機の場合、エッジピックが出ると、インキを軟らかくして対応してる人が

多いんですが、ユポの場合は、この方法もNG。まぁ、もともとエッジピックの

対応方法として、インキを軟らかくするってのは、あまり正解とは言えないん

ですが、ユポの印刷でインキを軟らかくしてしまうと、汚れが出まくります。

 

油性機に比べて、非常に水幅が狭い高感度UV機。そこへ、これまた水幅が

超狭いユポ。そんな状態のところで、インキを軟らかくしてしまったら、こりゃ、

地汚れやら、乳化やらのオンパレードで、何とも成らなくなってしまいます。

 

んじゃ、どうするのか。スーパーユポは、UV印刷NGである。であるならば、

こりゃ紙(ユポ)を替えるしか無いんですわ。ウルトラユポってのが有ります。

これも通常の油性インキで刷れるユポなんですが、スーパーユポと違って、

両面、刷る事が出来ます。これね、UV印刷OKなんですよ。

 

ウルトラユポでも、少しエッジピックが出易い傾向が有りますが、その点は、

ブランケットの選択で回避する事が出来ます。私的には、硬めのブランで

紙離れが良い物ほど、エッジピックが出にくいと解釈しています。それとね、

ブランの張りが弱いとアカンです。エッジピックが出たら、まず、ブランを、

チョッと強めに張り直してやって下さい。

 

油性機では最高だったスーパーユポが、高感度UV機では使えない。

これ、意外な盲点だったりします。高感度UV機でユポを刷る場合は、

ウルトラユポを選択する事。 シッカリ覚えておいて下さいな。