昨日もチョッとだけ触れましたが、4色カラー刷りの印刷で、「写真の色調が淡い
から、濃い目にしてくれ~」なんて時。無理矢理インキを盛って濃く刷るってのは、
こりゃ決して良い事ではないんですよ。・・・油性ならね、チョッと無理しても、まだ
何とか成る場合も有りますが、高感度UVとかは、アカンですよ~。
油性インキと比べた場合、LED-UV等、いわゆる、高感度UVインキってヤツは、
「水幅が狭い」等と言われるように、あらゆる面で許容範囲が狭いと思った方が
イイんですよ。なので、そんなインキを無理して盛ってしまうと様々なトラブルを
発生させてしまう原因を作る事に成ってしまうんですわ~。
例えば、高感度UVインキで、無理して盛って刷ったとしましょう。まぁ、そりゃねぇ、
刷るのが、500枚位ならね、無理してでも刷れるかも知れんですよね。でもね、
その無理した状態で、1万枚刷ったら多分、まともな状態では刷れんと思います。
無理してインキを盛ってるって事は、許容範囲を越えた、余剰なインキが存在し
てしまっているって事です。インキが多過ぎれば当然の様に汚れます。汚れれば
湿し水を多くしますわねぇ。水幅が狭い高感度UVインキは簡単に乳化し、まずは
水の調量ローラーなどゴム系(樹脂含む)の、水ローラーにゴテゴテと、こびり付い
て行きます。これらのローラーが、超ゴテゴテに成ると今度は金属系の水ローラー
を侵します。水を運ぶ為のローラーにインキが付着すれば、水を運ぶ事に支障が
出て、まともに機能しなく成ってしまうんですわ。
まぁ、こう成ってしまえば、まともな印刷じゃないですよね。「ええッ!そうなのッ!
ウチでは、水のローラー系は、すぐにインキでゴテゴテに成るから、それが普通で、
その度に洗浄作業(手拭き等)をするのが当り前だと思って使ってるけどねぇ~」
実はね、高感度UVを使ってる人で、平気で、こういう事を言う人、ケッコウ多いん
ですよ。「水ローラーが、ゴテゴテに成ったら、すぐに手入れをする!」なんてのが
スローガンの様に成ってる所も、ケッコウ有るんですわ。「なんで?? ゴテゴテに
成ったら手入れしなきゃアカンでしょう。そのままで刷ってちゃダメですよねぇ」
またまた平気で、そういう事を言う。そりゃね、ゴテゴテに成ったら絶対に手入れ
しなきゃアカンよ。でもね、ゴテゴテに成ってしまう事が、当たり前なんだ!と思っ
てちゃ、こりゃ最悪にアカンのだよ。ゴテゴテに成ってしまう前に、ゴテゴテに成ら
ない方法ってのを考えなきゃダメだよね。それが、印刷の基本だと思わない?
例えばさ、水道のホースから水漏れが発生してて、あたりの床をビショビショに
してしまっていたとしようか。普通ならさ、ホースの水漏れ部分を修理するとか、
ホースを新品に替えるとかって言う対応策を取るよね。これは誰が考えたって
水漏れ対応の基本だと思うんだけど、どうかな? その基本的な対応をせず、
ただただ、濡れ続ける床を拭きまくる人って、見てて、チョッと滑稽でしょ。
私に言わせれば、ゴテゴテに成るローラーを手入れしまくるって人も、これと同じ
なんですわ~。・・・ホースが破れて、水が漏れてるのに、それには目もくれず、
ただただ必死に、濡れた床を拭きまくる。主原因であるホースの不具合を改善
しなきゃ、一生、床を拭きまくる事に成ってしまいますわね。
水ローラーがインキでゴテゴテに成ってしまうのにもね、必ず、その原因が有る
んですわ。まぁ、ホースが破れてるなんて言う様な単純な話ではないんですが、
必ず、何か基本から外れた、無理な使い方をしてしまっているから、ゴテゴテに
成ってしまうと言う不具合が発生してるんですわ。ですから基本は、その原因を
確実に突き止め、適切に対処するって事に成るワケなんですよ。
高感度UV機のオペレータって、多くの場合、油性から転向して来た人ですよね。
油性の時の様な、「少々の無理なら大丈夫!」って言う考えでは、高感度UVは
使えません。超シビアに設定し超繊細にメンテをして行かなきゃ、それこそ一生、
ビショビショに成り続ける床を、拭きまくるハメに成ってしまうんですわ。
「高感度UVを油性並みに、楽に刷れる様に成るのが、ボクの目標です!」なんて
言ってたヘタクソ君が居ましたけど、高感度UVをナメちゃアカンです。油性並みに
楽に刷ろうと思ったら、エッチ液の選択、インキ、ブラン、仕立て、ローラー等々、
ありとあらゆる物の選択から始まって、メッチャ細かな変化にまで、コダワリ続ける
事が必須なんですわ。・・・ヘタクソ君の目標ってのは、エッチ液とアルコールを
ドバッと入れて、インキもドバッと盛って刷るって言うのを称して、油性並みと言っ
てるのであって、そんな深い事までは考えてないんですよ。
高感度UVは、油性よりも、はるかにシビアな管理、調整が必要である。この事を、
決して忘れちゃアカンです。エッチ液の増量や、アルコール(代替含む)添加を
しなきゃ刷れないようでは、刷り方の基本が間違ってると思って、初歩の初歩から
印刷の仕方を勉強し直す様にしないと、永遠にウマくは成りませんよ。