印刷物は、何の為に有るのか?・・・私のセミナーでは、この質問を
よくしますし、このブログでも、何度か書いて来た事柄だと思います。
「印刷物は、それを発注して下さった、お客さんが儲けるために有る」
これが私の、いつもの回答なんですが・・・、 例えばね、魚屋さんが、
自分の店の「特売セールのチラシ」を作りたいとしましょう。
高い印刷料金を出して、ケッコウな額の、新聞折り込み料金を払って、
それでもチラシ(印刷物)を作りたいのは、なぜか?・・・チラシを出す
ことによって、一人でも多くのお客さんに来店してもらって、1匹でも
多く魚を売りたい。要するに、魚屋さんが儲けるためですよね。
帳票類(伝票)や、商品ラベル、商品のパッケージ、書籍、テキスト類、
そうした印刷物の一つ一つに関しても、その印刷品質の良し悪しに
よって集客性や販売実績などが変わって来るってのが私の考えです。
(まぁ、詳しくは、私のセミナーを聞いてやって下さい(笑))
印刷品質って言うのを、そう言う観点から考えた場合、より良い印刷品質
ってのは、「お客さんが儲かる品質」って事に成りますよね。魚屋さんの
チラシの魚の写真が、まぁ見事なくらいに、美味しそうに見えてて、こりゃ
今夜は、この魚を是非とも食べたいから、早速、買いに行こうッ!なんて
思える様な品質のチラシが、もっともイイってわけです。
印刷物を発注して下さった、お客さんが儲かる品質が、最も良い品質!
そう考えた場合、「ドットゲインとか、ベタ濃度とか、網点の素抜けだとか、
ダブリだとか、汚れだとか、そんな物、ど~でもイイじゃん。それらが、良い
状態じゃなかったとしても、要は、お客さんが儲かればイイんだろう。」
極論すれば、その通りだと思います。要は最終的に、お客さんが儲かれば、
それが一番良い印刷物なんですよ。でもね、多くの場合、人は、より良い物
を求めますよね。「ああ~、そのマグロの赤身はさぁ、もう少し赤くしてよ~。
アジはさぁ、胴体がキラキラしてて、活きが良く見える方がイイなぁ。」
そんな、お客さんからのリクエストに応えようとした場合は、写真データ等に、
補正を掛ける事に成るんですが、基本的な印刷品質がメチャクチャだったら、
どんな補正を掛けたらイイのか分からんですよね。例えば、ダブリが出て、
濃く成ってしまってる所を指して、「ここ、もう少しスッキリさせてよ。」って言わ
れたら、印刷機の爪を調整したりして、ダブリを確実に取るって言うのが、
最も正しい対応方法ですよね。
ダブリが出てしまってる事に気付かず、インキの盛りを抑えて明るくスッキリ
させようとしたら、ベタ部分や、シャドーの濃い部分が、メッチャ淡く成ってし
まって、メリハリの無い、非常に眠たい印刷物に成ってしまいます。
我々が扱っている印刷機械ってヤツはね、偶然に出来上がるような、芸術品を
作る機械じゃないですよね。事細かに計算し尽くされて、凄く緻密な制御の基に、
安定した物を大量に作って行く機械なんですよ。 その大前提から考えた場合、
ドットゲイン、ベタ濃度、網点形状、なんて言う、最も基本的な部分が、ウマく
行っているって事は、こりゃ当り前。 それは、絶対条件って事に成るんですよ。