印刷技術 続・水温設定 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

「おおさかのいんさつやさん」が、良い情報を挙げて下さっていたので、

水温に関して、チョッと追記です。・・・水槽冷却設定温度が、15℃で、

水舟(印刷中)も、15℃に成る。 これは、本当に理想なんですよ!

 

なんでこれが実現出来得るのか。もちろん、メンテ状況とか、工場環境とか、

いろんな要素が有るんですが、まず基本的には、冷却水槽の、設置位置の

問題がケッコウ大きいんですわ。・・・どの位置に設置するのが理想なのか?

 

湿し水は、例えば4色機なら、冷却水槽で冷やされた湿し水が、4胴分の

水舟に送られて行きます。1台の冷却装置で、4胴分の湿し水を供給する

ワケですから、4胴共、全て、同じ温度に冷やされた湿し水を届ける事が

出来れば、これが本当に、ベストですよね。

 

と言う事は、冷却水槽の理想的な設置位置は、印刷機のユニットの中間、

つまり、2胴目と3胴目の間で、出来るだけ胴に近い場所に置くってのが、

最も理想的な置き場って事に成るんですわ。

 

ハイデルの場合は、冷却水槽が一体型のユニットに成っていますので、

この理想的な設置場所が、ほぼクリアされていますよね。最近の国産機も

ウチ(コスモテック)の、スペースペアとかなら、一体型ユニットですので、

ほぼ良い位置に設置する事が可能なのですが・・・。

 

多くの国産印刷機で使って頂いている通常の、別体型の湿し水冷却装置

(ウチのトップワン)とかだと、こりゃ本当に、その置き場所はバラバラです。

フィーダーの端っこの方とか、デリバリィの、遥か彼方の遠くの方だとか、

各工場さんのスペース等の問題で印刷機の胴ユニットからは、遠く離れた

場所に置かれている事が多いんですわ~。

 

様々な理由が有るので仕方の無い事なのですが、冷却水槽と水舟が

遠く離れてしまえば、冷却した湿し水を送る為のホースが、当然のように

長~く成ってしまいます。そのホースが、ブロアーポンプ等、熱源の近くを

通る場合も有るので、水槽温度15℃で、印刷中も、水舟15℃って言う

理想的な状況を作るのが、かなり難しく成ってしまうってワケなのですわ。

 

あと、水舟に送る、水量の問題も有ります。理想的には、冷たい湿し水を

大量に送るように、水量を多くして、循環を良くしたいのですが、あまり

水量を多くしてしまうと、水舟でオーバーフローして、水舟から湿し水が

溢れてしまって、印刷物に水飛びが発生してしまう等、最悪な事態が

発生してしまう場合も有るので、なかなか攻め切れないんですよ。

 

この点は、印刷機の水舟の排水(湿し水戻し)機構などの問題も有るの

ですが何よりアカンのは、水舟が油汚れ等で汚いとか、ホースが汚れて、

今にも詰りそうだとかって言うのが、最悪なんです。このホースの汚れって

のも、ホースが長ければ長いほど、汚れやすいワケですから冷却水槽って

ヤツは、印刷機から、あまり離さない方がイイんですよ。