印刷技術 モーニングバンド解決編 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

先日、このブログで「モーニングバンド?」ってのを書かせて頂きました。
輪転機の版の余白部分に付ける、帯状の平網なんですが、これを付ける
理由ってナニ?ってな内容だったのですが、古くからの私の友人である
ハンドルネーム・babycute さんが、他のサイトで解説して下さったので
掲載させて頂きます。 babycute さん、ありがとうございます~!

・モーニングバンド Mourning Bars(Mourning Bands)

Take off Barsとか、Scavenging Barsと言ったりもするようです。
名前の由来はビクトリア王朝時代の弔電から。

モーニングバンドの効果は、大きく二つ。
(1) ローラー・ブランケット上でインキが乾くのを防ぐ
(2) 版・ブランケット・ローラー上に湿し水が堆積するのを防ぐ

意外と盲点なのですが、ローラーから転移したインキは用紙に転移して
消費されるインキがない場合、ローラー群/刷版画線部/ブランケット
全体で、(それぞれの濡れ性に応じて)平均化するように移動します。
※インキが一方通行なら逆トラによるツボの汚れは起きませんよね。

という訳で、刷版の余白部分に帯を焼き付けておくと、その部分はインキが
ローラー~刷版~ブランケット~刷版~ブランケットと転移していきます。
もしモーニングバンドが無いと、余剰インキがブランケットに転移した後、
刷版に戻る事が出来ないために、ブランケット上で乾燥して、どんどん
積載してしまいます。これを防いでいるのがモーニングバンドです。

湿し水はインキ中に分散(乳化)して運ばれて行きます。インキが供給過多に
なるとシステム全体の乳化率が上がるので、モーニングバンドを入れた場合も
ツボの両端は閉めておくことが必要です。また、モーニングバンドはベタでは
なく、40~80%の平網、またはパターンにします。

以上解説でした。
どんな網にするかは各会社のノウハウになります。
 

(一部・成田加筆)

 
なるほどねぇ~。乾燥防止ですか~。
こりゃ物理ではなく、立派な「科学」の世界での
制御だったんですねぇ!(^^)v