印刷技術 印刷機遍歴 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

あまり書いた事が無いのですが・・・。

 

私が40数年前に、生まれて初めて見たオフセット印刷機が、ハイデル・KORDって言う、

菊半才の単色機でした。非常にメカニカルな印刷機で、今のように、押しボタンで運転を

開始するとかではなく、レバー操作で、運転⇒給紙⇒胴入れ なんて言う工程を進行

させて行きます。給紙停止も、レバー操作でエアーを切るって言う具合です。

 

このKORDと2年ほど付き合って、その後は、ハイデルの SORKZ (通称・Vライン)

なんて言う、これまた菊半才なんですが、チョッと昇格して、2色機を使わせて頂きました。

これ、インキ壺の位置が、とっても高いので、背が低い私はケッコウ苦労しながら使って

いたと言う印象が非常に強いです(笑)。これは、半年ほど使っただけだったかなぁ~。

 

その後、ローランドのファバリットって言う、菊半才の2色機を使い出しました。この2色機で、

4色カラーのラベル等を刷っていました。コイツとは5年以上付き合ったと思います。当時は

勿論、モルトン給水で、オペレータスタンドもなく、壺ネジ方式。見当合わせも、各ユニットへ

行って、ユニットに付けられた大きなハンドルを、勘で操作してやってましたね~。

 

その次に使わせてもらったのが、初めての4色機。しかも、初めての連続給水。しかも私に

とっては、初めての新品台(人が使った中古ではない)。しかも!見当合わせや、壺調整が

遠隔操作で出来てしまうオペレータスタンド付き!しかもしかも、初めての国産機!

 

三菱の1Eって言う、菊半4色機でした。 あっ、遠隔操作の見当合わせと言っても、いわゆる

コッキング(ひねり制御)は付いてませんから、版をヒネル場合は、スパナで版の張りを緩めて、

「こんなもんかなぁ~」ってな感じで、自分の指加減を頼りに調整してましたね。

 

この三菱を5年程使って、後輩に譲り、自分は小森の新台へ移動。初代・リスロン26って言う、

菊半4色機です。装備的には、三菱1Eと替わりません。自動の版替え装置も無いし、自動の

ブラン洗浄や、ローラー洗浄なんてのも、当然のように、付いていません。これとは、7年間、

苦楽を共にしました。私が使った中では、一番長く付き合った相棒です。

 

その後、しばらくは工場管理とかをやっていたのですが、10数年のブランクの後に使わせて

頂いたのが、リョービ・750 LED-UV でした。初めてのLED-UVです!初めての自動

ブラン洗浄も付いてて、見当コッキングも有り、ローラー洗浄も自動!版替えは半自動ですが、

何の工具も持たずに版が替えれてしまうってのが、超嬉しかったですわ~。

 

初物づくしってのは、最初は本当に苦労しました。特に、LED-UVの初期の頃だったので、

インキとかエッチ液とか、何がイイのか分からず、ずい分、悩みました。     ただね~、

今の人達にとっては、当たり前かと思うんですが、私にとって初めての、自動機達は本当に

「こりゃ、楽だ~ッ!」って感じでした。ブラン洗浄も、ローラー洗浄も、放っておいて、工場の

外でタバコ吸ってるうちに、完了してしまうんですもんね~。ありゃ、エエですわ~。

 

この印刷機を使ってる時は、CTPでの版出力も自分でやってたんですよ。ですから、微妙な

色調が出難い時には、自分でトーンカーブを変更して、版を再出力して~なんて事をやって

ましたね。自分で出力した版を、自分で刷るのって、ケッコウ楽しいです(^^)v

 

いろいろ苦労も有りましたけど、やっぱりね、印刷機を使って、印刷物を仕上げるってのが、

根っから好きなんでしょうね。それに、機械物ってヤツが大好きなので、いろんな印刷機を

使わせて頂けた事には、本当に感謝しております。一人の印刷技術者としては、素晴らしく

幸せな経験をさせて頂いたと、心より感謝しております。