先日、珍しい、印刷オペレータに出会いました。年齢は30歳前後かな?
いろいろ話をしていて、「どんな印刷物を刷るのが好きなの?」って聞いて
みたんですよ。4色機を使っていたので、例えば、ポスターだとか、パンフ
だとか言うような回答を期待してたのですが、なんと彼は・・・
「特色ッスね」 って、 一言。
「エエッ!特色の印刷が好きなの?特練りのインキを使ってじゃなくて、
自分で特色を作って刷るヤツ?」 「そうッス」・・・そりゃねぇ、あんた~、
メッチャ珍しい人種だよね~。
ベテランの人でも、4色機のオペレータだと、「オレは特色、大嫌いやッ!」って
人が多いのに、その若さで、特色大好きってのは、異星人と言うか、突然変異で
生まれたと言うか、はたまた、ドエムか(笑)。イヤ~本当に珍しい人ですわ~。
とは言え、実はオレも、そうだったなぁ~。最初に与えられたのは、ハイデルの
菊判・単色機で、毎日毎日、特色ばかり作って刷ってたから、こりゃ、やらざるを
得ないと言うか、好きとか嫌いとかじゃなく、オレのメインの仕事だったもんなぁ。
「慣れ」だと思うんですよね、何でもかんでも。
例えばね、常に湿し水が多過ぎて、ユポが上手く刷れないって言うオペレータ、
世間にはイッパイ居るんですけど、でもその逆に、毎日、クリアファイルみたいな、
フィルムばかり刷ってるから、紙を刷る時の水の上げ方が分からなくて、
「オレ、紙を刷るの大嫌い!」なんて人も決して少なからず、居るワケなんですよ。
毎日、0.4mm 以上の厚紙ばかり刷っている人に、0.04mm なんて言う超薄紙を
刷れって言っても、1枚も給紙させる事が出来ずに、ギブアップしてしまいます。
その逆に、毎日、薄紙ばかり刷ってる人に、ボール紙を刷れって言っても、こりゃ
なかなかウマく行かず、コスレ傷や、裏移りとの壮絶な闘いに成ってしまったり。
慣れてしまえば、それが「普通」に成り、楽に対応する事が出来るように成るん
ですが、「あまり経験が無い」とか「やり方が分からない」なんてヤツには、やはり
苦労をしてしまいますよね。そして「苦手な物」 に成ってしまうワケです。
苦手な物を、常に避けて通ってしまうと、絶対に克服する事は出来ないですよね。
「オレ、ユポ嫌いだからさぁ~、外注で刷ってもらってよ~」とか言ってると、一生、
ユポをウマく刷る事が出来ないんですわ。 ユポがウマく刷れるように成るとね、
普通紙の印刷品質が格段に良く成ります。・・・と言う事は、ユポが刷れない人は、
普通紙のクオリティも、落ちてしまっているって事なんですよ。
多くの場合、技術者ってヤツはね、自分の苦手を克服すると、一気に成長します。
「うわぁぁ、またあの仕事か~。あれ、イヤなんだよなぁ~」なんて言ってる仕事を
積極的にやって、克服してしまうと、一回りも二回りも、成長出来るんですわ。
「何でもオレんとこへ持って来い~。鼻歌でやってやるぜェ~」とか言ってる方が
絶対にウマく行くものなんですわ。 頑張りましょ(^^)v