印刷Q&A 寒い日の朝 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

 

寒い日が続いています。朝の印刷機の立ち上げが、本当に辛いです。

成田さんの記事とかでも紹介されていましたが、朝は胴入れ状態で

暖気運転をして、圧胴を暖めていますが、それでも、なかなか暖かくは

成ってくれません。そこで質問ですが、例えば、ブランケットに温風を

当てて、強制的に暖めるような装置とかって言うのは無いのでしょうか?

 

●回答

 

なるほど~、強制暖気装置ですか。そりゃ、おもしろそうですねぇ。

二交代で24時間、印刷機が動いているならともかく昼勤のみの工場だと、

暖房を一晩中、入れっ放しにしておいても、床からの冷えで圧胴が冷たく

成ってしまうので、本当に毎朝大変ですもんね~。

 

実は私もね、布団乾燥機の温風で、暖めてやろうとした事が有るんですよ。

んでも結果は、全く効果無しでした。やらんよりはイイと言うレベルじゃなく、

本当に全く効果無し!みたいな感じでしたわ~。

 

ですからね、例えば温風やヒーター等で暖めようとすると、かなりの熱量が

必要に成ると思うんですよ。熱が加わる部分には、様々な弊害が発生します。

そうした弊害を、全てクリア出来ればイイんでしょうが、未だに、そうした物が

出て来ていないところをみると、クリア出来ないんでしょうね。

 

あとは、振りローラーでやってるような、温調装置ですかねぇ。振りローラーの

中に、冷水や温水を通して、ローラー温度を一定に保つってヤツなんですが、

これを、版胴や、ブラン胴、圧胴でやってやれば、こりゃ抜群の安定性を得る

ことが出来そうですが、そんなのが付いた印刷機は、出てないですよね。

 

もし、これをやると成ると、スゲェ高価な装置に成ってしまいそうな気がします。

振りローラーの直径に対して、版胴の直径は、メッチャ大きいですし、圧胴は、

倍胴ですから、その倍の太さが有りますので、こりゃ無理なのかなぁ~。

 

まぁ、今の日本の製作技術を持ってすれば、おそらく、作る事は可能なのだと

思うんですよ。だけど、それを商品化した場合、どれほどの需要が有るのか?

価格が幾らだったら、導入してもらえるのか?なんて言う諸事情を事を考えた

場合、販売不可!と言う結論に達しているのかも知れませんね。

 

私の古い頭で考えると、こんな回答に成ってしまいます。でもね、今の印刷機

でも、様々な改善を重ねて、現在の形が出来上がっているんですから、今後の

開発に関しては、「こうして欲しい!」「こんな印刷機が欲しい!」って言う声を、

現役オペレータの皆さんが、訴え続けて行くべきだと思うんですよ。

 

現在の印刷機械は、ほぼ完成形のように思えますが、それは現役ではない私の

古い考え方であって、現役の皆さんは、もっともっと要望が有るのだと思います。

その声が、届くよう、声を上げ続けて行って下さい。