印刷Q&A 25倍ルーペ | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

● 質問

 

はじめまして、いつも拝見させていただいています。
印刷会社に勤めていてDTPを担当しているのですが、印刷課にはトンボの見当を見る程度の、

倍率の低いルーペしかありません。印刷の機長が自ら網点をチェックするものだと思っていた

ので、知った時は衝撃を受けました。これまで何度か上の人に印刷課にルーペを購入するように

進言したのですが、全くその気配がありません。
他社でも網点を見ずに印刷を行なっている所はあるのでしょうか?
個人的に自社はかなり非常識だと思っているのですが、世間ではどうなのでしょうか?
また、もしルーペを購入できるようになった時、お勧めの商品などはありますか?

 

● 回答

 

25倍のルーペが、印刷現場に置いてあっても、網点を見てない人って、ケッコウ多かったり

するんですよ~。また、網点を見ても、正しく評価する事が出来ないって人も、多いんです。

そうした事を教育する機関が、無いんですよね。

 

網点の形状、角度、そんな事も知らずに、印刷オペレータをやっている人が、世の中には

たくさん居るってのが現実なんですよ。例えばですよ、印刷機メーカーの教育セミナー

とかに出席したとしましょう。その場で、まず第一に、教育しなくては成らない事ってのは、

印刷機の操作方法だったり、メンテの方法だったりするワケなんです。

 

数千万円~1億円以上もしてしまう印刷機ですからね、それを壊さない事が最優先の

教育事項に成るってワケです。それにね、印刷オペレータの仕事を遂行して行くためには、

例えば、紙の知識だとか、インキ、溶剤など資材の知識、環境変化に対応して行く知識等、

かなり膨大な量の知識が必要に成ります。

 

そうした中で、網点をルーペで覗いて確認して行くような知識ってのは、どうしても後回しに

成ってしまうんですよ。「品質第一主義」の私が、こんな事を言っていてはアカンのですが、

他のサイトでの言葉を引用させて頂くならば、「技術者」ではなく、「作業者」を育てるのが、

精一杯の時代に成ってしまっているのだと、痛感しています。

 

頑張って、「技術者育成セミナー」なんてのを、シッカリやって行きたいと思っております。

また、お勧めのルーペに関しては、私は、25倍の直径が太くて明るいルーペが好きです。

最近のは細いタイプが多いんですが、私は太い物をお勧めしたいですね。