● 質問
高感度UV機を使っています。
先日、上質紙への、墨の1色刷りが有り、濃度を 1.60 で
刷ったのですが、クレームで刷り直しに成ってしまいました。
墨1色での、女性(偉い方)の顔写真が有って、その顔が、
真っ黒に成ってしまったのでダメだったようです。
油性の時は、1.60でも良かったのですが、高感度UVでは、
濃過ぎるのでしょうか?
● 回答
はい、濃過ぎです。
濃度計って、印刷機に付いてる濃度計ですよね。それで計測する場合って、
印刷直後の、まだ乾燥していない状態での計測に成りますよね。
今回のように、上質紙に刷った場合、油性だと、乾燥と共に、インキが紙に
吸い込まれて行きますよね。吸い込まれた分、濃度は低く(淡く)成ります。
実際に、油性で刷って、完全に乾燥した状態での濃度を計ってみて下さい。
未乾燥の状態で、1.60だった物が、乾燥後には、かなり数値が低く成って
いる事と思います。(湿し水や紙の状態で、どれくらい低く成ってるかは随分、
変化が大きいと思います。)
これがですねぇ、高感度UVだと、インキが紙に浸透する前に、紙の表面で、
インキを硬化させて、固めてしまいますよね。すでにインキが固まった状態で
濃度を計測する事と成るワケですから、1日経過した後で濃度を計測しても、
あまり変化は無いだろうと思います。
例えばですよ、上質紙に油性で、墨 1.60 で印刷して、乾燥後には、1.20に
成ったとしましょう。・・・この 1.20って言う濃さが、お客さんの所に納める濃度
って事に成りますよね。
それに対して、高感度UVでは、チョッとだけ沈んだとしても、1.50 くらいの濃さで、
お客さんの所に納まってしまうってワケですわ。過去に油性で納めていたお客さんに
とって、1.50 は、こりゃ濃過ぎですよね。
コート紙のように、あまり浸透しない(ドライダウンが少ない)紙の場合は、こりゃ
あまり差が出ないかも知れませんが、上質紙のように、乾燥後に濃度が低く成り
やすい紙の場合は、油性と高感度UVでは、大きな差が出てしまいます。
油性で刷って、完全に乾燥した前回見本等の濃度を見本にして、高感度UVで
刷る場合の、適正な濃度ってのを、決めてやって下さい。油性の未乾燥状態で、
1.60 だったから、高感度UVでも、1.60でOKって言うのは、上質紙等の場合には、
成り立たない話なんですよ。
紙の状態、工場環境、湿し水の使い方、濃度計の校正状態など、様々な要因で、
濃度の数値が大きく変わってしまうので、私がこの場で、濃度〇〇 って言う
数値を指定する事は非常に難しいのですわ~。営業さんも交えて、社内で充分に
話合って、数値を決めるようにして下さいな。