先日の、アキヤマ機での「汚れ」の続編です。
今日は、その印刷機で刷られた印刷物を入手する事が出来ましたので、その現物を
見ながらの、お話をさせて頂きます。・・・印刷物は、絵柄面積が非常に少なくって、
墨文字と、あとは会社のマークみたいなのが、小さく入ってるだけの印刷物です。
咬部分に、薄っすらと浮き汚れが出て困っていると言うのですが・・・ 分からんわッ!
60歳間近の私の眼では、そんなもん見えやせんわい! つ~か、これくらいエエやろう(笑)。
渡された印刷物、これは上質紙かな。UVの咬の浮き汚れってさ、出てしまうと本当に
困るんですよね。んでもね、上質紙のように、水やインキが浸透しやすいタイプの紙では、
それほど分からんのです。コート紙<ユポ<フィルム なんて具合に、インキの顔料が、
表面に残ってしまう物の方が、キツく目立ちますよね。
これね、前回も解説したように、エッチ液とインキの選択で、かなり改善出来るんですわ。
特に、UV印刷に特化したような、新しいタイプのエッチ液は、この症状の改善に対して、
非常に効果が有るそうです。(超・美人化学者・談)
今回のサンプルは、その汚れが非常に分かり難い物だったので、それはチョッと無視して、
その他の印刷品質をチェック。・・・あれま、着肉、悪いわ~。まぁ上質紙だから仕方がない
かも知れんけど、これ、ウチのCFで刷ると、メチャ着肉が良く成るんですよね~。
おおッ!なんじゃ、この爪跡はッ! ・・・印刷物の咬部分ってね、多かれ少なかれ爪の跡が
付くじゃないですか。この爪跡の付き方、あまり見ないかも知れませんが、実はケッコウ重要
なんです。例えば、爪が片効きしてるとか、強過ぎるとか、いろんな事が分かるんですわ。
今回の爪跡は、非常に特徴的でした。四角い爪跡の中央部分くらいに、ゴチャゴチャとした
凸凹がクッキリと出てるんでわ。これは、あまり見た事がない爪跡なんですが、正常な状態
では、こうした跡は付かないだろうと思います。
爪が古く成って偏摩耗を起こしてしまっているのか、または、紙粉などが溜まってしまって
いるのか。どっちにしろ、決して良い状態ではありません。爪ってのは、爪先全体で均一に
紙をつかむように調整しないと、偏って摩耗してしまうので、寿命が思いっ切り短く成って
しまうんですわ。これはね、要清掃、または要調整です。
皆さんも、時々でイイですから、自分の印刷物の爪跡を見てやって下さい。一つの爪跡の
中で、片方は強く効いていて、反対側が弱いとか、隣の爪跡と比べて、妙に強いとか弱い
とか。見るべき所がイッパイ有るんですよ。
早目に不具合を見付けて、清掃とか調整とかしてやれば、少しの手間で、快調な状態に
してやる事が可能なんですが、不具合を知らずに、そのまま使っていると、莫大な時間と
費用を費やして修理をするハメに成ってしまう事が有ります。
1枚の印刷物の中には、印刷機械の不調など、いろんな情報が詰まっています。
インキが乗っていない、一番端の爪跡なんてのも、実は大きな情報源なんですよ。