● 質問
アキヤマ製の古い4色機を、UVで使っています。
版の端の方が最も汚れるのですが、全体的に汚れやすく困っています。
エッチ液=1.5% アルコール=7% で印刷していますが、この場合、
エッチ液の添加量を、もっと多くした方が良いのでしょうか?
● 回答
懐かしい印刷機ですねぇ~。アキヤマさんの古い機械だと、AKダンプナーって言って、
水の着けローラーが単独で存在せず、インキの第1着けローラーに湿し水を供給する
タイプのものですよね。あの形式でUVだと、どうしてもアルコールが必要なんでしょうね。
一口に「汚れる」と言っても、いろんな要因が有って、断定する事が難しいんですが、
とにかく最終的には、インキと水のバランスなんですわ。一番多いケースはインキが
多過ぎるってヤツです。前にも書いたと思いますが・・・
インキが多いと、それに負けないように、水も多くしなくては、汚れが止まりません。
水が多く入ってしまうと、インキが乳化しないまでも、一気に軟らかく成ってしまうので、
こりゃ、メチャメチャ汚れやすく成ってしまうんですね。
インキが軟らかい=汚れやすい。と言う公式ですから、夏場の気温上昇でインキが
軟らかく成ってしまって、汚れやすく成ってしまうんですね。ですからね、工場内の
冷房って、非常に大切なんですね。
この暑い季節に成ると「汚れる!」って話がよく出るのは、工場内の冷房が、うまく
行っていないケースが多いんですわ。理想的には、25℃以下で印刷をしたいんですが、
もし冷房の能力が足らなくても、28℃以上では厳しいと思います。
こうした暑い環境下で、エッチ液を多く入れてしまうと、インキの中に湿し水が入り込み
やすく成って、よりインキが軟らかく成ってしまいますから、こりゃ逆効果なんですわ。
・・・と、この解説もね、実はケッコウ古い考え方なんですよ。今時の高性能なエッチ液は
さまざまな使用状況を考慮して設計されていますから、こうした点も改良が進んでいます。
現在、使用中のエッチ液を伺ったら、ずい分前に売り出された物でしたので、エッチ液の
メーカーさんと相談して、最新の優秀な物に替えれば、かなりの成績が出せると思います。
劣悪な工場環境を補うほどの性能を持ち合わせたエッチ液ってのは、こりゃ難しいと
思いますが、古いタイプのエッチ液よりは、新しい物の方が確実に良いと思いますので、
一度、相談される事をお勧めします。良いエッチ液に巡り合うと、印刷が、劇的に楽に
成りますよ。(^_^)v