印刷Q&A 冊子の確認作業 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問
 
菊全4色機のオペレータです。先日、冊子の印刷で、台数の多い物が
有りました。印刷部数が少ないので、次から次へと、刷版を替えなくては
ならない、超大忙しの仕事でした。社内のルールで、冊子物の場合は、
各台を、16ページ折に折って、確認をしてから刷り出すこと。と、成って
いるのですが、こんなに部数の少ない物を、1台1台、折って確認して
いたのでは、時間ばかりが掛かってしまい、仕事が進みません。
他の印刷会社でも、こうしたページ物の場合、印刷現場で、折って確認
しながら、仕事をしているのでしょうか?
 
●回答
 
基本的には、印刷物を実際に折って、確認してから、印刷を開始する。
って言うのが常識ですよね。私がオペレータだった頃は、普通に、そうしてました。
管理職に成ってからは、機長の手伝いで、私が折って確認してたりしましたね。
 
私の経験では、実際に折ってみて、間違いを発見した事が、ケッコウ有ります。
まずは、ノンブル(ページ番号)が通らないってやつ。18ページの次が22ページ
だったりとかね。
 
あとは、ノンブルの位置間違い。本当は小口側にノンブルが付かなくちゃいけない
のに、1ページだけ、のどの方に付いてました。これって、折らずに平判のままで
見てると、見落としやすい間違いですよね。
 
隣同士のページが見開きで、面付けがズレてて、絵柄が合ってないってのも
有りました。分かり難い、抽象画のような絵柄で、1ページだけ逆さまに面付け
されてたってのも、発見したことが有ります。
 
見開きのページに、大きな文字でタイトルが有ったのですが、これが右と左で
文字の色が変わってしまってるってのも有りましたね。校正紙も、間違った色に
成ってたんですが、実際に折って本にしてみると、絶対におかしいんですよ。
お客さんに問い合わせたら、やはり間違いで、ずいぶん感謝されました。
 
冊子は、特に台数の多い(ページ数の多い)物は、本に成ってしまってから、
致命的な間違いが発見されると、メチャメチャ大変ですよね。訂正紙を入れて
OKなら、簡単なんですが、刷り直しとなると、紙代、版代、刷り代、製本代など、
膨大な損失に成ってしまいます。
 
二日も三日も掛けて印刷した物が、刷り直しに成ったら、こりゃ泣きたく成ります
よね~。・・・一つ一つ、折って確認するのは、面倒かも知れませんが、刷り直しを
するほどの手間は掛かりません。
 
折って確認をする事も、印刷作業の一環だと思って、シッカリと見てやって
下さいな。何事も無ければ、それは「取り越し苦労」ではなくて、超OKな、
とても良い事なのですよ。どうか、頑張って見てやって下さい。