印刷Q&A インキの寿命 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

 

1年位経った、油性の特練インキ(メーカー製の特練)を

使うときの注意事項などがあれば、教えてください。

 

●回答

 

インキの賞味期限(チョット表現が違うかな?)の、お話ですね。油性の場合だと

色にもよりますが・・・ 例えば金や銀が入ってると、酸化して変色してしまうので、

寿命は短く成ってしまいますが、普通の色であれば、インキメーカーさんの発表で

2年間は大丈夫!とのことです。

 

と言っても、我々は、ごく普通に、5年前のインキとか使っちゃってますけどね(笑)

気を付ける点は、まず、その表面。真空のパックに成ってても、長く放置されてると

薄い膜が張ってしまってる場合が有りますので、それは丁寧に取り除いて下さい。

 

あと、インキには「チキソトロピー」(揺変性)と言って、放置しておくと、インキ内の

分子がくっ付いて「巣」を作る状態に成ってしまう事が有ります。これを良好な状態に

戻すためには、そのインキを、よ~く練ってやる事が大切です。

 

練り盤で練る、なんて面倒な事はしなくても、インキ壺に入れた時、壺の中でヘラで

かき混ぜてやれば充分です。とにかく、古いインキは、まず、良く練ってやるって事が

一番大切だと思って下さい。

 

油性インキならね、こんな感じでイイんですが、UVインキだと、そうは行きませんね。

寿命は、およそ1年ですわ~。保管状況にもよりますが、25℃を超えるような所で

保管してると「ゲル化」と言って、インキじゃない物体に変わってしまいますね。

 

特にイヤなのが、UVの金や銀ですわ。あの賞味期限って、半年ですよね。

冷蔵庫で保管して下さい。なんて言われますが、それでもアカンです。すぐに

ゲル化してしまいますよね。