印刷Q&A フィーダー調節 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

今年の4月に印刷会社に入社して、印刷工場の配属に成りました。
ようやく、紙積みの腰痛にも慣れて来たのですが、フィーダーの
調整を任されるように成り、四苦八苦しています。
どうやって覚えれば一番良いのかを教えて頂けると助かります。
機械は、菊全4色機、ストリームフィーダー(?)です。

●回答

紙を安定して出すって言うのは、一番大切な技術なのですが、紙ってのは、
厚いのも有れば、超薄いのも有り、はたまた、クセの悪い紙やら、腰が無くて
クタクタの紙とか、ザラザラで滑り難い紙とか、本当にいろいろですもんね。

どんな紙でも安定して出すって言うのは、とても難易度が高いんですが、
私のコツとしては、まず第一に、基本と成る「基準点」を作ってしまう事ですよ。

フィーダーって、調整箇所がイッパイ有りますよね。吹き足(長靴)の深さとか、
サッカーの高さ、紙押さえベロの高さ深さ、ブロアーの位置や強さ。こいつらの
「基準点」(普通ならこの位置、この強さ)みたいなのを、作ってしまうんですわ。

例えば、一番出しやすい紙、私なら、コート紙の90kgとかだったりするんですが、
その紙が超安定して出る調整を「基準点」とします。

あとは、例えば二枚差しが出やすい薄い紙なら、紙押さえベロを低く深くするとか、
その逆に、給紙ミスに成りやすい厚い紙なら、基準点よりブロアーを強くするとか
長靴を浅めにするとか。

とにかくね、どんな調整をしたとしても、必ず「基準点」にリセット出来ること。
ってのが大切なんですわ。基準点を見失ってしまうと、とんでもない調整に成って
しまって、迷宮の世界にはまり込んでしまいます。

理想的には、基準点を決めたら、どんな紙でも無調整で出てくれるのが一番イイん
ですけど、なかなか、そうは行かないですよね。そこで、基準点から調整を変更
する事に成るんですが、コツとしては、あまり大きく調整を動かさない事です。
大きく動かし過ぎると、ワケが分からなく成ってしまいます。

あとね、この「基準点」ってヤツがシッカリして来ると、フィーダーのメンテ状態が
スゴク把握しやすく成るんですわ。

この調整で、このサッカーの動きのシブさは、サッカーに紙粉がたまってるぞ。とか、
これで二枚差しが出ると成ると、紙押さえベロを新品に替えなきゃアカンな。とかね。

基準点作りは、最初は難しいと思いますが、先輩からアドバイスを頂きながら、
自分自身で悩んでみて下さい。各部の動きを良く見て、音を聞いて、無理のない動き
無理の無い音が、安定して続くような状態を探し出してみて下さいな。