温度差 | 1級技能士・成田の印刷技術

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どんなところにでも「温度差」と言うのは発生すると思います。
これが、物理的な温度差であれば、熱ければ冷やせばイイし、
冷たければ、暖めてやれば済む事なのですが・・・。

なかなか埋まらないのが、感情的な温度差、精神的な温度ですよね。
特に我々、印刷オペレータと言うのは「色調」と言う非常にアイマイな物を
相手にしています。お客さんが要望する色調と、我々が再現する色調の温度差、
この温度差が大きく成り過ぎると、クレームに成ってしましますね。

例えば、どこかの会社案内を印刷するとしましょう。自社の営業マンが、
お客さんと打ち合わせをして、「この社長の顔写真は、絶対に、この色で!」
などと、体温で言うなら、38度以上の高温で指示を出したとしましょう。

この指示を受け取った、自社の営業マン、この写真の色調が要注意だと言う、
その点は理解出来たとしても、体温的には、せいぜい 37度程度の微熱に
成ってしまったりします。

これを印刷現場に伝える時、すでに37度まで下がってしまった温度が、
現場側の受け止め方一つで、36度の平熱にまで下がってしまうんですわ。

お客さんにとっては、38度の高熱な事柄なのに、現場では、36度の平熱の
事柄に成ってしまっている。これでは、トラブルが発生して当然ですわね。

お客さん→自社営業マン→印刷現場、それぞれに立場の違う者同士の、
いわゆる、伝言ゲームが、そんなにまともに成功出来るワケがないのですわ。

そこで、重要に成るのが、お客さん立会いによる印刷ってヤツですね。
難しい物、こだわりの強い物、判断に困る物、なんてのは、お客さん立会いが
一番イイと思います。

アイマイな物の温度差ってね、本当に奥が深い場合が多いんですよ。
アイマイだからこそ、お客さんも、伝え辛いし、営業マンも受け止め辛い。
そんな状況下の印刷現場では、理解不能に成ってしまって当然ですわね。

これから先、こうした、お客さんの温度を、正しく理解し、正しく
再現する事が出来る印刷会社しか、生き残って行けないのだと思っています。
経営者、営業、現場、と言うワクを超えて、全社をあげて取り組んで行くべき
最重要課題なのだと思います。